家族になったボクとおばちゃん 歳月の記録…13年「恩返しがしたい」 【東日本大震災13年の“あれから”】
■初のバイト代 プレゼントは「親に」
佳祐くんは、仙台の専門学校に進学しました。18歳での人生の選択は、自動車整備を学ぶ専門学校で、実践的な経験を積むことでした。 佳祐くん 「俺の番か。まあそうだよな。ずっと(工場を)おばちゃんも守ってきてくれたんだもんな」 ◇ 2022年8月、佳祐くんには初めてのバイト代で買いたい物がありました。「プレゼント買います」と店に向かう佳祐くん。「どなたへ?」と尋ねると「親に。親へ」と―――。玲子さんの名前が入ったボールペンでした。 東日本大震災から12年となる2023年、玲子さんは「ずっと一緒にいられるかどうか分かりませんけども、私にとってはすごく良かったと思います」 ボクとおばちゃんの12年。新しい家族のカタチを作ってきました。 佳祐くん 「ひとりぼっちじゃないんだなっていうことを、改めて分からせてくれたし、だんだんと」 「育ててきてくれたしね。就職したら恩返ししなきゃね、いっぱいね」
(※2023年4月23日に「NNNドキュメント」で放送されたものを再編集しました)
【取材したミヤギテレビ・佐々木博正ディレクター 2024年3月に思うこと】
東日本大震災という未曽有の災害がもたらした計り知れない悲しみの中で、支え合いながら懸命に前を向いて生きる姿を取材を通して見つめてきました。寄り添う日々を重ねた2人が信頼し合える「家族」になっていく姿が、多くの方に伝わればと思います。