<ネット党首討論>(3)集団的自衛権をどう見るか?【全文書き起こし&動画】
安倍:はい。先ほど、志位さんがまるでアフガン戦争やイラク戦争に自衛隊が参加するかのごとくの発言をされましたが、そんなことはないということは再三、国会で私は発言しているとおりであります。いわば、武力行使を目的とした戦闘行為に参加することはありません。ですから例えば、かつてのベトナム戦争や、アフガン戦争や、湾岸戦争や、イラク戦争に、そうした戦闘行為に参加することはないということは、はっきりと申し上げておきたいと思います。日本の平和国家としての歩みはまったく変わることはありません。 もちろん、日本の領土、領海、しっかりと守っていかなければいけません。領空もそうです。しかし世界中で日本人は活躍をしている中において、いろんなことが発生した際、しっかりと守っていくその責任を果たしていく。今、世界中で、1国で自分の国を守れる国はありません。日本においては日米同盟をきっちりと維持をしながら、絆を強めて守っていきたい。守っていかなければならないと思います。 志位:あとちょっと。 角谷:はい、じゃあ、志位さん。 志位:今の総理から反論があったんですが、私は安倍さんと国会の予算委員会で論戦しました。で、アフガニスタン戦争、イラク戦争のときに自衛隊派兵しました。しかしそのときは武力行使をしてはならない。戦闘地域に行ってはならない。2つの歯止めがあったんですね。これを残すんですか、残さないんですか。安倍さんに聞きました。残すと言わなかった。結局、戦闘地域まで行くことになるんではないか。これは明らかになりました。そうしますと攻撃されることになると。攻撃されたらどうするんですかと、私たち聞きました。武器の使用をすると。任務遂行のための、あるいは自己防衛のための武器の使用をするとおっしゃいましたよ。これは武器の使用するということになりましたら、これは戦闘が起こるんです。ですからアフガン戦争、イラク戦争のような戦闘に参加することはないと言うけど、実際にそうやって論を詰めていったら、戦争に参加することになるということが明らかになったというのが、国会の論戦の到達点ですよ。これはごまかしちゃいけない。 角谷:じゃあ、安倍さん、お答えしましょうか。 安倍:いわゆる、武力行使を目的とした戦闘行為には参加をしませんし、一般に海外派兵はしないということを明確にしています。アフガン戦争については、いわば給油活動をしていました。そしてイラク戦争については、戦闘行為が終わってから平和構築にわれわれは参加をしたわけであります。そして、いわば後方支援、これは集団的自衛権の行使の一部として行うものではありません。国際社会において国連決議があって、その中でどういう協力をしていこうという中で行っていく行為であります。その中においても、武力行使を目的とした戦闘行為に参加することはありません。今一度、その概念を整理して、今度は戦闘現場には行かないという、そういう現実的なラインをきっちりと引いているわけでありますから、志位さんが言っているようなことにはならないということははっきりと、申し上げておきたいと思います。 角谷:小沢さんいきましょう。 小沢:安倍総理のお話にちょっと異論を差し挟みたいんですけども、湾岸戦争と、ベトナムや、アフガンや、イラク戦争を同列で論じておられますけれども、それはまったく性格の違うものだと思います。 湾岸戦争のときは安全保障理事会、国連の理事会で、あらゆる手段を講じてよろしいというお墨付きが出ております。その他は違います。ですから、そういう意味において、私は、ここははっきりと国連の認めた平和維持作戦なのか。あるいはそうでない、アメリカなどの特定の国が行う軍事作戦なのか。そこは区別して考えなければいけない、私はそう思います。 それから、武力の行使で、前戦でどんぱちするか、しないかは別にしまして、後方支援、兵站線というのは、昔から一番武力行使では大事なとこなんです。ですから、それはまさに一体なんです。ですから、その意味におきましても私は、ここは認識をしっかりしていただきたいと思います。 山口:はい。 角谷:はい、山口さん。 山口:はい。志位さんのお話はPKOと多国籍軍への後方支援を混同してるんですね。PKOは武力を使う活動ではありません。しかも、これは受け入れる国々の同意が前提、また、紛争当事者の同意も別に求めて行われる活動ですから、基本的には武力が使われない。その中で、警察的な活動をする範囲で、武器の使用を認めていこうという考え方を今回はっきりさせたわけです。 また多国籍軍の後方支援。これは従来から武力行使と一体となる後方支援はやってはいけないというのがこれまでの政府の考え方です。今回も、この戦闘行為が現に行われてる現場ではやってはならないということを決めたわけであります。そして、後方支援活動をやっている現場が、もし戦闘行為の現場になりそうになったらやめる、休止して中断せよと、こういうことを決めたわけです。ですから、危険をいかに回避して、後方支援の実を上げるか、これからのやり方であります。 志位:はい。 角谷:じゃあ、志位さん、いきましょうか。 志位:総理が武力行使を目的にした海外派兵はしないんだということをおっしゃいます。しかし私が言ったのは、米軍の活動に対する兵站支援、後方支援といわれる活動ですが、それをこれまでは戦闘地域でやってはならないという歯止めがあったわけですね。この歯止め、なくなるわけですよ。戦闘現場ではやらないということをおっしゃいますけども、自衛隊が行った場所が戦闘現場になりうるっていうことは、答弁で認めました。そうしますとやはり相手から攻撃されることになる。そこで戦闘が起こるっていうことを私は問題にしている。ですからこれは、国会で詰めた議論をやったわけです。そしてやはり、まさに自衛隊をそういう海外での戦闘に参加させることになる。ですから、ここが私たちは、日本を殺し、殺されるような危険な国にしてはならないということで、閣議決定の撤回を求めている一番の理由はここにあるわけです。 角谷:はい、吉田さん、ありますか。 吉田:はい。数少ない国会の議論の中で、総理は注目すべき発言を2つされています。ホルムズ海峡に機雷がまかれて、原油を積んだタンカーが通れなくなって、日本経済に甚大な影響が及ぶ場合には機雷の掃海に行くと。それが1点。 2つ目は、日米同盟は死活的に重要な関係ですから、アメリカから集団的自衛権の行使を求められればその行使もありうる。この2つを言われております。 総理は何回も、アフガニスタンやイラクのようなところに行って武力行使をしないと言いますが、その歯止めがまったくないんです。総理がいくらそう言っても歯止めにならない。それをどういうふうに付けていくのか。そもそも、そういうことができませんから、私たちはそんな集団的自衛権行使容認の閣議決定は撤回すべきだ。専守防衛で、今の解釈の範囲内でできることをやるべきだ。そのことを主張しているんです。 角谷:はい、安倍さん、いきましょう。