スーパーアイドル・超人気女優でも久々の表舞台で緊張 繊細でピュアな人…元担当記者が見た中山美穂さんの素顔
女優で歌手の中山美穂さんが6日、都内の自宅で死去した。54歳だった。中山さんはこの日夜、大阪市内でコンサートを行う予定で、警視庁渋谷署によると、朝に都内の待ち合わせ場所に来なかったため、事務所関係者が知人と自宅を訪問。浴室で倒れているところを発見された。所属事務所は「死因などの詳細は現在確認中です」とコメント。アイドル、女優としてトップを走り続けた中山さんの死に、日本中に衝撃が走った。 【写真】12月5日に最後のインスタ投稿「心がえぐられて」 * * * * * 私が1997年に入社してすぐに芸能担当になったときの中山さんは、すでにスーパーアイドルにして超人気女優。その分ハードルも高く、じっくりとインタビューする機会はなかったが、2007年、中山さんが当時暮らしていたパリでアニメ映画のイベントに出席した時に初めて直接取材するチャンスに恵まれた。 02年に辻仁成さんと結婚してパリに渡り、04年に生まれた長男が3歳になった頃。久々の表舞台に登場した中山さんはそわそわしながら「緊張しますね」と顔をこわばらせ、スター女優がこんなにガチガチになるのかと驚いた。12年に10年ぶりのドラマ主演作で新潟でのロケを取材した時もそうだった。「現場に入ると今までなじんでいたものを自然に思い出します。それでもすごく緊張はしますが」。共演の佐藤浩市も「僕も初対面は苦手だけど、彼女はもっと緊張されているようだったのでお互いの緊張感がいい方向に出れば」と気を使うほどだった。 一方で激しい一面も目撃した。14年、辻さんと離婚協議のためパリから羽田空港に降り立った時のこと。髪の毛で顔を隠して質問を遮りながら、通路をつかつかと歩いたが、無数のフラッシュに最後は怒りが爆発。「やめてもらえますか!」と報道陣を一喝して去って行った姿は今も目に焼きついている。 いるだけでその場が華やぐ天性のスターだったが、カメラの前を離れると、繊細でピュアな人だった。(文化社会部部長・高橋 誠司)
報知新聞社