ドラゴンズ初のOB戦にファンは歓喜!懐かしさの中で願うのは立浪竜の奮起
ミラクル投法も復活!
松本幸行(ゆきつら)さんの登場は感激だった。松本投手は、文字通り"ちぎっては投げちぎっては投げ"の小気味いいピッチングで知られて、松本さんが投げるゲームは、とにかく終わるのが早かった。讀賣ジャイアンツの10連覇を阻止してリーグ優勝した1974年(昭和49年)には、20勝投手となった。現役時代と同じ「21」の背番号をつけた松本さんが投げたのは3球だけ。しかし、キャッチャーからの返球を受け取ると、打者が構える間もないほど、すぐに投げるスタイルは健在で、嬉しくなった。
往年の名プレーは健在
きらりと光るプレーも多かった。1999年(平成11年)リーグ優勝時のMVP、野口茂樹さんをはじめ、120キロを超える、キレのいい球を投げる元投手も多かった。田尾さんはじめ、往年のバットコントロールが健在の元打者も数々いた。 そんな中、初のOB戦でMVPに選ばれた、英智さんの守備は魅せた。ホームへのワンバウンド送球や、レフト線に落ちようかというフライへのスライディングキャッチなど、現役時代さながらの好守を連発して、スタンドの喝采を浴びた。納得のMVPである。
『燃えよドラゴンズ!』への思い
5回の終了時には、ペナントレース時と同じように『燃えよドラゴンズ!』の球場合唱があった。チアドラゴンズもOGメンバーが加わって、にぎやかに盛り上げたが、できることならば、この歌が最初に発表された1974年の優勝時の歌詞で歌いたかった。 特に「にっくきジャイアンツ、息の根とめて優勝だ」という下りである。これこそ、ドラゴンズの原点だと思っている。特に、その年の優勝メンバーがグラウンドにいるのだからなおさらである。「代打男の江藤君」と歌詞に歌われた江藤省三さんは、残念ながら打席に立たなかったけれど。
セレモニーでの感動スピーチ
OB戦は、谷沢監督率いる強竜チームが、5対3で昇竜チームに勝った。そんな勝敗は二の次、ゲームセットと共に、両チームのOB選手を温かい拍手が包み込んだ。それは公式戦とはひと味違う、どこか柔らかなものだった。試合後のセレモニーで挨拶に立った法元総監督が、杉下茂さんはじめ、中利夫さん、高木守道さん(※「高」は「はしごだか」)、そして星野仙一さんら、今は亡きOBの名前を挙げて、追悼されたことには大いに感激した。