【ミャンマー】タイ不動産購入の増加続く、国外逃避で
タイのコンドミニアム(分譲マンション)を購入するミャンマー人の増加が続いている。2021年2月の国軍によるクーデター後の政情不安により、富裕層を含む国外逃避の流れが止まらない。タイ政府住宅銀行(GHB)傘下の不動産情報センター(REIC)によると、ミャンマー人による1~6月の購入戸数は前年同期の3.5倍に上った。 外国人による1~6月のタイの分譲マンション購入は全体的に不調で、戸数は前年同期比1%減の7,280戸、総額が7%減の約329億バーツ(約1,440億円)。国籍別で最大の中国人の購入戸数は17%減の2,872戸で、金額が約132億バーツだった。 ミャンマー人による購入戸数は3.5倍の638戸で、総額は32億4,000万バーツ。戸数・総額ともに外国人の約4割を占める中国には及ばないが、1割近くを占めて国籍別で2番目に多かった。 クーデター前まではミャンマー人によるタイの物件購入は限定的だったが、政変に伴い国外逃避の傾向が鮮明となった。特に文化・経済的なつながりが深い隣国タイに人気が集まり、軍政が今年2月に徴兵制の実施を発表した後は若者の国外脱出の流れが加速した。 ただ、軍政がキャピタルフライト(資産逃避)を阻止するための統制を強める動きを見せており、今後のミャンマー人需要に影響を与える可能性がある。