日欧の学生ら「平和の維持」議論 元国際司法裁判所所長の小和田恒氏の記念講座、東大で
元国際司法裁判所所長の小和田恒氏(92)の功績を記念し、国際社会で活躍する人材の育成を目指す「小和田記念講座」が2、3日、東大駒場キャンパス(東京都目黒区)で開かれ、日欧の学生らが「平和の維持」について議論した。 講座は2021年、東大とオランダのライデン大の共同で始まり、「国際法と国際関係のインターフェース」をテーマに、毎回異なるトピックで開催。4回目となる今回は東大と早稲田大、慶応大の学生ら18人が参加。このうち5人と、ライデン大の学生4人が英語でディベートした。 議論に先立ち、小和田氏が国連の平和維持活動の歴史や仕組みについて事例を交えて紹介。続いて、東大大学院総合文化研究科の遠藤貢教授が、アフリカにおける平和活動の変遷と課題について基調講演した。 ディベートは、講演を踏まえて小和田氏が問いを投げかける形で進行。学生らは互いの意見に理解を示しながら議論を深め、アフリカだけでなく、ウクライナやガザにおける現状への対応にも話が及んだ。小和田氏は外交官としての実体験も交えながら、「現実を直視する必要がある」と学生らに語りかけ、高いレベルでの議論を促した。