廃線を「自分で運転」してみた! “あの日のまま”の線路と列車で「は、速い!」「停まらない…!?」運転士が心底スゴいと思った件
調子こいたらクラッチがドン!?
ブレーキ弁ハンドルを抜き取り、逆転機の切り替えなど機器類を操作して反対側の運転台に移動。旧神岡鉱山前駅に戻ります。ここでは警笛(タイフォン)を鳴らせるので、足元のスイッチを踏むとプァアン!と警笛が響きました。これだけでもなかなかできない体験です。 復路は出発後の速度制限がありません。ノッチは3まで入れることができます。とはいえ、まず1でゆっくり動き出してから2→3へと動かさないと、液体変速機のクラッチが急につながり、ドン!という大きなショックが発生してしまいます。スムーズに走るために丁寧な操作が求められるのは、クルマと同じなのですね。なお、KM-101形に積まれている液体変速機「DF-115型」も国鉄の廃車発生品。ギアは「変速」「直結」の2段しかありません。つまり2速オートマ! 上り坂のためマスコンを切ると速度がどんどん落ちるので、こまめにマスコンオンで加速して制限速度20km/hをキープ。そのたびに、トンネル内には心地よいエンジンの音が鳴り響きます。とはいえ最初の往復は緊張し通しで、それを楽しむ余裕はありませんでした。 トンネル内の出口付近には信号機が設置されており、ここでいったん停止するためブレーキ操作を行います。信号が青に変更後、旧神岡鉱山前駅構内に進入するのですが、同駅はガッタンゴー・まちなかコースの終点でもあるため、ガッタンゴーが到着して駅構内に人がいる際は、安全のため係員が手旗で駅構内への進入可否を教えてくれます。 この時は白旗=OKのサインだったので、そのままホームの停止位置に向かって走りました。転轍機の速度制限15km/hは、往路と同じです。 さて再び停車位置が迫り、ブレーキをかけます。先ほどよりもブレーキの戻しを意識しましたが、今度は前方に係員が立っているため、停車しなくちゃ!という気持ちがさらに高まってしまい、結局また手前で、しかも急に停まってしまいました。うーん難しい! ホームページには時間内に最低2往復が可能、と記載されているとおり、2回目の順番が巡ってきました。今度こそ上手に停まりたいと臨んだものの、ブレーキ操作はやはり難しく、思ったような停車はできませんでした。2回目からは、ATS(自動列車停止装置)のスイッチもオンにしてみたので、キンコンキンコンと鳴るATSチャイムを聞き、確認スイッチを操作する実車さながらの体験もできました。