主演・菜々緒の時点で”勝ち確”? ビジュアルが美しいほど笑えてくるドラマ『無能の鷹』の真の魅力とは? 第1話考察レビュー
菜々緒主演のドラマ『無能の鷹』(テレビ朝日系)が放送開始した。はんざき朝未の大人気コミックスを原作とした本作は、超有能そうに見える主人公・鷹野ツメ子が実は実は全く仕事ができないという、超脱力系お仕事コメディ。今回は、第1話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】菜々緒が美しすぎる…貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『無能の鷹』劇中カット一覧
主演・菜々緒の時点で“勝ち確”?
個人的には、放送開始前から今クールで最も楽しみな作品だった。原作は脱力コメディでありながら、「もしかすると深いこと言っているかもしれない」と感じさせ、やっぱりくだらないというバランス感覚が絶妙だ。 1時間のドラマの中で世界観をどのように演出するのかという興味はあったが、主演に菜々緒を抜擢した時点で、すでに“勝ち確”だったように思う。 菜々緒といえば、『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(2021、TBS系)ではファッション誌の編集長を演じ、『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(2021、TBS系)では冷静な判断力を持つ看護師になりきった。そのくっきりとした顔立ちや、モデル仕込みの抜群のプロポーションもあってか、これまでの俳優キャリアでは優秀なキャラクターを演じることが多かった。 翻って、本作で菜々緒が演じる鷹野ツメ子の仕事ぶりは絶望的だ。「燃費」を「もえぴ」と読み、コピーも満足にとることができない。 それでも、誤魔化しながら働く意欲があれば、まだ救いがあるが、鷹野は “社内ニート”を完全に受け入れている。仕事中もパソコンで堂々と業務と関係のない動画を見てしまう図太さも兼ね備える。
ミスをする姿すら美しい鷹野(菜々緒)
そんな鷹野は、雰囲気だけは“デキる人オーラ”を放ちまくっているというキャラクターで、まさに菜々緒のビジュアルだからこそ決して簡単ではない実写化を成立させている。 自身のミスで床に散らばったコピー用紙を拾う姿さえ美しく、クレーンゲームの前で熟考する立ち姿は凛々しささえある。 脚本を担当した根本ノンジが「鷹野役は人並外れて現実離れした俳優さんじゃないと務まらない。まさしく菜々緒さんしか演じられない役だと思いました」と話すのも納得だ。 もっとも、本作は有能そうに見えて実は無能な主人公をただ笑うだけのドラマではない。営業でありながら、第一印象が薄い鶸田道人(塩野瑛久)が見た目だけは“最強”の鷹野とコンビを組み、コンサルティングを行っていくという”お仕事ドラマ”の側面もある。 実際、鷹野の振る舞いにふふっと笑いながら油断して見ていると、はっとさせられる瞬間が訪れる。