メンズトラッドの定番・カーディガンとシャツ、おじさん風にならないコーデのコツ
連載《プロのコーデ》
トラディショナルスタイルで「永遠の定番」といえるのが、シャツとカーディガンの組み合わせだ。オンオフ問わず幅広い場面で活躍する着こなしだが、「無難すぎて、つまらない」「おじさんぽい」と見られないかが、気になるところ。カーディガンをどう選び、どうコーディネートすれば、大人のスタイルが完成するのだろう。東京・原宿にあるセレクトショップ、USONIAN GOODS STORE(ユーソニアングッズストア)の手塚章吾さんに聞いた。 【写真14枚】2種類のコーデ、ディテールまで丸わかり
■クラシカルな着こなし入門 体形とのバランス注意
――シャツとカーディガンを着るとき、どこに注意したらいいでしょう? 「アメリカントラディショナルスタイルをテーマにしている当店としては、『昔ながらの着こなし』に振り切るのをおすすめします。そこで特に大事なのはボトムスの選び方ですね。例えばビジネスシーンで着るようなポリエステル素材の細身のパンツは今風すぎる感じです。クラシカルなカーディガンと合わせるとアンバランスな印象になりやすいです」 ――コーディネートを考えるとき、手塚さんが特に意識していることは? 「Vゾーンを作り、腰上の位置でパンツをはくという最低限の紳士服のルールは必ず守るようにしています。シャツの前ボタンをいくつか開けて着崩すこともありますが、これは胸周りに立体感を持たせるという目的があるからですね。シャツの前ボタンを全部とめると、平面的になりすぎて僕の痩せ型の体形が際立ってしまうんです」 「逆に胸板が厚い方や恰幅(かっぷく)がいい方は、シャツの第1ボタンまでとめて、ネクタイを締めた方が似合うと思います。そんな風に自分の体形とのバランスを考えて、論理的に着こなすとうまくまとまると思いますよ」
■シャツとカーディガン 60年代風が使い勝手抜群
――カーディガンの選び方は? 「股上が深いヴィンテージ風なパンツと合わせることが多いので、それと相性がよいデザインのものを選んでいます。具体的には着丈が短くてVゾーンが広い、1960年代的な作りのカーディガンを着ることが多いですね」 ――ユーソニアングッズストアのおすすめは? 「当店がオリジナルで手がけているUSONIAN SPORTSWEAR(ユーソニアンスポーツウェア)のものですね。1960年代にゴルフをする人が着ていたカーディガンをイメージした1着です。着丈が短めなので脚を長く見せる効果があり、トレンドのワイドパンツともバランスがとりやすいです」 ――カーディガンと合わせるシャツはどんなものがいいでしょう? 「生地が厚めのオックスフォードシャツより、薄手の軽快な質感のものを選ぶと、もたついた印象を与えにくいです」 「当店で人気なのは、米国の老舗ブランド、INDIVIDUALIZED SHIRTS(インディビジュアライズドシャツ)のものですね。襟型や生地、シルエットまで自分の体形や好みに合わせてフルオーダーできます」