DxP今井紀明と考える、持続可能な「若者支援」 寄付型NPOのこれから
スタートアップとアトツギベンチャーが交差し、旗を立てる挑戦者を瀬戸内から応援する新たな経済番組「Setouchi Startup Flag」(通称・セトフラ)。 瀬戸内エリア内外の起業家やアトツギをゲストに招き、瀬戸内・中四国特化型ベンチャーキャピタル「Setouchi Startups」の共同代表、藤田圭一郎と山田邦明がVC目線でゲストのビジネスストーリーを深掘りします。 今回は、ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会を目指して、ユース世代(13~25歳)の孤立を解決する事業を行っている認定NPO法人D×P(ディーピー)理事長の今井紀明さんをゲストにお迎えした回をご紹介。 ユースセンターやLINE相談事業のユキサキチャットなど、行政が参画しづらい領域に踏み込んで支援を展開してきた今井さん。取り組みについてだけではなく、独立性を持ったNPO法人を増やすためにできることはないか、その先に広がる支援の多様性や拡充についてもお話しいただきました。NPO運営についてのリアルな声もお届けします。 ■ユース世代の孤立を解決する 支えるのは月額寄付サポーター 今井:D×P理事長の今井と申します。13期目のNPOで、10代の孤独を解消する事業を行っています。 4年前にSOLIOという会社を立ち上げて、ジャンルを選んで寄付をするサービスを始めました。NPOが30団体くらい登録していて、子ども支援や国際協力のような自分の興味に合ったジャンルを選んで寄付ができるサービスになっています。自分たちのNPOだけが寄付を集めたとしても、一社だけでは子ども達の支援はできない。だからこそ、NPO側の支援もしたいなと思ってやっています。 D×P自体は、約2.7億円の予算規模のうち82%が寄付です。特徴的なのは、毎月継続して寄付をくださる月額寄付サポーターが3280人もいることなんですよね。ありがたいことに、共感して参加してくださっている方も多いですし、法人も125社まで増えています。 藤田:一番寄付してくれている人は、過去で言うとどのくらいの金額を寄付してくださるんですか? 今井:10年以上前から数千万円単位で寄付してくださっている方もいます。その他に個人で毎月数十万円単位で寄付してくださる方もいますが、金額の大きさよりもやっぱり月額1000円の寄付者さんの存在がものすごく強いです。 月額寄付サポーターの積み重ねがあるからこそ、ユキサキチャットでの相談支援、コロナ禍から始めた食糧や現金給付支援などができていると考えています。 ■日本にはまだ少ない寄付型NPO 独立性を持った運営ができること 今井:ユキサキチャットには、今14000人以上の13歳から25歳の方が登録しています。 バイト代を親に取られたり、所持金がなかったりするという相談に対して、食糧支援や給付支援など3つの支援をしています。 サポートを希望する方のなかで、約6割が滞納や借金を抱えているので、8万円を給付してまずライフラインを復活させることもあります。3カ月間、月1万円の支援をしている間に社会保障制度に繋げたり、アルバイトに繋げたりすることも。