なぜ片づけプロジェクトの卒業生はみんな自信あふれた表情に変わるのか。1万人の家庭を手伝ったコンサルが考える<片づけのゴール>
◆片づけができるようになると自分の「軸」もできてくる 受講する前まで、散らかった部屋を片づけるのに忙しすぎて、「とりあえず」「今日を乗り切る」ことに必死だった人たちです。 毎日を短期決戦のごとく過ごしていた人たちが、片づけができるようになると、長期的な視点でものごとを考えられるようになります。 3年後にはこんなふうになっていたいとか、5年後にはこんな自分になっていたいとか、こんな家庭でありたいとか。 それは自分に「軸」ができたからだと思います。 自分で考えて、やりがいを見つけて、自主的に行動できるようになったからです。 私はこれを、ikigai(生きがい)と呼んでいます。 自分の人生を自主的に生きる。 当たり前のようで、けっこうむずかしいことなのかなと思います。
◆ikigai(生きがい)を見つけると自信がついてくる なぜローマ字でikigaiと書くかというと、英語に「生きがい」にあたるピッタリの言葉がないらしく、最近、英語圏でもikigaiとして使われているからです。 ikigaiを見つけると、さらに自信がついてきます。 心に余裕が生まれ、時間的余裕も生まれ、片づけもできて、さらに自信がつくという好循環です。 家族との関係もギスギスからニコニコへ。 今までの「早く片づけなさい!」「ごめんなさい」のやりとりが、「片づけてくれてありがとう」に変わっていきます。 家族との関係が良くなると、それはさらにあなたに自信をつけてくれることでしょう。 会社や学校、親戚や近所づきあいなど、他者とのコミュニケーションもグッとスムーズになり、また信頼を高めることでしょう。
◆「子どもの自立」が最終ゴール そしていちばん大事なこと、それは子どもの成長です。 子どもは親の背を見て育つものです。 想像してみてください。 もし親がikigaiを持ち、楽しそうに生きていたら。 両親が仲良くお互いを尊重し合って暮らしていたら。 普段から「ありがとう」が自然と出る家庭だったら……。 その子どもは、いつか自分もこんな大人になるのかなと、イメージできるのではないでしょうか。 いつか自分もこんな大人になりたいと、こんな家庭を持ちたいと、思えるのではないでしょうか。 大人になりたくない子ども、結婚したくない大人が増えています。 理由はいろいろかと思いますが、そのひとつは子どもが憧れるロールモデルを親が見せられなかったことだと思います。 子どもが自然と「いいなあ」と思える家庭を作ってこなかったからだと思うのです。 さて、私の「何のために片づけるのか?」の答えを言いましょう。 私が片づけたいと思う最終的なゴールは「子どもの自立」です。 部屋を片づけることはこんなふうに次の世代へつながっていくのです。 ※本稿は『キッチン「から」片づければ、家は必ずキレイになる!』(小学館)の一部を再編集したものです。
西崎彩智
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