パリ五輪LGBTQ公表アスリートは過去最多の198人 「ロス五輪は史上最も“ゲイ”な五輪になる」米専門メディア
■出身国では同性愛が違法とされる選手が難民選手団で銅メダルを獲得
──注目した当事者アスリートは誰ですか。 難民選手団で初めてメダルを獲得したボクシング女子のシンディ ウィナー・ジャンケウ ヌガンバ選手です。彼女は、同性愛が違法であるカメルーン出身です。彼女の銅メダル獲得には胸が高鳴りました。(注:ロイター通信によると、同選手はイギリス在住で難民と認定されるために同性愛者であることをカミングアウトした)
また、陸上1万メートル男子に出場し12位となった22歳のアメリカ代表ニコ・ヤング選手の活躍も楽しく見守りました。12位とはいえ、彼の記録は東京やそれ以前の五輪であれば金メダルを獲得していたはずです。彼は、人々のロールモデルになるべくカムアウトしたと明言しています。ゲイであってもアスリートやランナーになれると世間に知らしめたいのだと。志を抱いてカムアウトした彼の活躍を見守るのは非常に楽しかったです。
■2028年はロサンゼルス 「史上最も“gay”なオリンピックになる」
──次のロス五輪についての展望は? LGBTQを公表して参加する選手の数は過去最多になるでしょう。ロサンゼルスは、私に言わせれば世界で有数のLGBTQフレンドリーな都市のひとつで、そのことについて問題視する人はほとんどいません。LGBTQ当事者の政治家や俳優、パフォーマーも多くいます。LGBTQのアスリートにとっては、自由と自分らしさを謳歌できる場所になると思います。ロス五輪は、歴史上最も“gay”(英語で「同性愛」と「楽しい」両方の意味がある)なオリンピックになると思いますね。