ロサンゼルス・オリンピックは「個人種目で出場したい」 学生個人100mと200m制覇の山形愛羽、世界リレーを経て思い新た
6月15、16日に行われた2024日本学生陸上競技個人選手権女子100mと200mで、福岡大学の山形愛羽(あいは、1年、熊本中央)が「二冠」を達成した。中でも11秒41(追い風1.7m)をマークした100mは、土井杏南(現・JAL)が2012年にマークしたU20日本記録(11秒43)を塗り替える好記録。強い先輩たちとレベルの高い環境下で練習を積み、成長著しい。 【写真】女子100mでU20日本新記録となる11秒41をマークし、記念撮影
100m、200mともに自己ベストと大会記録更新
100m決勝には昨年9月の日本インカレで「ワンツースリーフィニッシュ」を飾った甲南大学の藏重みう(2年、中京大中京)、岡根和奏(3年、龍谷大平安)、奥野由萌(3年、彦根翔西館)のほか、今年5月の関東インカレと昨年の学生個人を制した青山学院大学の石川優(4年、相洋)といった実力者がそろった。そこへ昨年の全国高校総体(インターハイ)で100mと200mの「二冠」を飾った山形がどのように絡んでくるか、注目された。 準決勝で追い風3.4mの参考記録ながら11秒36を出し、「決勝では絶対に自己ベストが出る自信があった」と言う山形。スタート直後の前傾姿勢から、30、40mにかけての「2次加速」を意識した。「自分の中ではそこが勝負だと思っていて、そこで前に出ていれば絶対に負けないし、ちょっとでも遅れていたらシニアの選手の方々にかなわない」。身長154cmと決して大きくはないが「誰にも負けない」と自信を持つピッチで加速を維持。2位の奥野に0秒14先着し、大会記録も更新した。 翌日の200mは予選を24秒48(追い風0.6m)で通過し、準決勝は追い風参考(2.8m)の23秒77。自己記録の23秒88は高校2年のときにマークしたと言い「そこから止まっていたので、絶対に更新したい」という思いを持って決勝に臨んだ。関東インカレ女子1部400mで優勝したフロレスアリエ(2年、東海大静岡翔洋)との一騎打ちを制し、23秒53(追い風1.4m)。有言実行の自己ベストを出すとともに、こちらも100mに続いて大会記録を塗り替えた。 100mの予選を含めて計6本をこなす、タフな2日間を過ごした山形。すべてのレースを終えた後「結構疲労もあって、筋肉痛もあったんですけど、走ったらアドレナリンも出て、あとは気合でした」と振り返った。