避難指示の初解除から10年 田村・都路、賠償で分断も
2011年3月の東京電力福島第1原発事故による避難指示区域で初めて、住民が再び暮らせるようになった福島県田村市都路地区東部の避難指示解除から、1日で10年。対象地域の帰還率は8割超と、後続の自治体に比べて高いが、戻った住民の一人は「都路地区でも避難指示の有無や賠償格差で住民間の分断が生まれ、今も埋まらぬままだ」と話す。 都路地区東部は第1原発の半径20キロ圏内に含まれ、事故直後に「警戒区域」として立ち入り禁止になった。12年4月に住民帰還を見据えた区域再編で、放射線量が最も低い区分の「避難指示解除準備区域」に移行して、日中の滞在は可能に。14年4月1日の避難解除で居住も解禁された。市によると、11年3月11日時点の人口は380人。この13年間に亡くなった人と転出者を差し引いた228人のうち、86%に当たる197人が帰還している(2月29日現在)。 国道288号沿いの中心集落には住宅が並び、事故後に建て替えられたとみられる家もある。