少年忍者が照らす21人とファン、後輩のこれから 過去と未来を繋ぐ有観客で初のTDC公演
21人での「The Shining Star」の披露も
MCでは、1月から体調不良で活動休止し、今回の公演から復帰となった内村が「帰ってこさせてくれてありがとう!」と伝え、ファンは拍手で応える。会場を半分に分けて声出しをする場面では、今回の公演が台風による公演中止の振替公演であることを受け、皇輝が「台風恨んでるかー!」と煽るとこの回一番の声援がTDCを満たすような一幕も。他にも、織山尚大が出演する映画『うちの弟どもがすみません』にミライBoysの内田煌音も出演していることを受け、内田に撮影の思い出を聞くと「(織山らが)学校の撮影シーンで(エキストラに)キャーキャー言われてて羨ましかった」と11歳らしい素直なコメントが飛び出していた。 一旦舞台上に皇輝と長瀬が残り、ミライBoysをステージに呼び出すとこれまでの感想を聞いていく。皇輝の「少年忍者の好きなメンバーは?」という質問に善如寺が「青木くんと長瀬くん」と答えると、長瀬は思わず大喜び。舞台裏でも仲良く交流している様子が窺えた。 夏ソングが中心のメドレーで観客のもとに登場する演出などを経て、皇輝、檜山光成、北川拓実による「マスカラ」(SixTONES)ではグラスを持ちながら大人の余裕も感じさせつつもどこか切ないパフォーマンスを披露。織山、深田竜生、元木湧、青木滉平、豊田陸人による「バトル・オブ・バトラー!」(King & Prince)では“お嬢様”にふさわしい執事になるべく5人がバトルを勃発。この日のお題は「疲れて帰ってきた私を癒す一言」で、それぞれが胸キュンセリフに挑戦。それぞれが趣向を凝らしたセリフで会場を沸かしていた。 “Memoriesコーナー”では、グループにとって代名詞になりつつある「The Shining Star」を21人がステージ目一杯に広がって息の合ったパフォーマンスを見せる。さらに激しいアクロバットが特徴の「RING DING DONG」(King & Prince)、「PSYCHO」(Kis-My-Ft2)も披露された。これらの楽曲は、5月に横浜アリーナで開催された『少年忍者 Arena Concert 2024 The Shining Star』ではかなり目立つ部分に組み込まれていたが、内村の休養もあり20人での披露となっていた。今回21人全員での披露となり、ようやく完成形だと言えるだろう。 最後に、「パレードは終わらない ‐Life is an Adventure‐」(Hey! Say! JUMP)ではお互いの気持ちを確かめ合うように、メンバーそれぞれが手を取り合い、明るく歌い上げ、本編は終了した。 TDCはグループ結成前から多くのメンバーが立っていた会場で、メンバーの思い入れも深いこともあり、公演全体を通じて少年忍者となる前から現在にかけての歴史を振り返るような演出が多いように感じた。しかし、少年忍者は過去を振り返るだけではない。これからの未来を信じ、ともに歩いていくという決意を感じさせられる。彼らは、少年忍者の名だけで横浜アリーナのコンサートを作り上げることができることをすでに示しているが、それでも今回のTDCの舞台をミライBoysと作り上げることは、かつての自分たちがそうであったように、ミライBoysにとってもかけがえのない経験になるはずだ。少年忍者が照らすのは自分たちの未来だけでなく、ファンや後輩の未来でもある。そのために、21人はまだまだ歩き続ける。
竹上尋子