【フランス】マクロン大統領、新内閣の閣僚名簿を発表
フランス大統領府は23日、バイル新内閣の閣僚名簿を発表した。マクロン氏やバイル氏の側近らが多数起用されたため、これまでの路線が維持されたとして早くも批判の声が上がっている。マクロン氏としては、元首相2人を入閣させるなどして安定を図りたい考えだが、先行きは不透明なままだ。 今年1月に辞任したボルヌ元首相は国民教育相に、オランド前社会党政権時に首相を務めたバルス氏は海外領土相にそれぞれ起用された。ルコルニュ国防相やバロ外相ら多くは留任や横滑りで閣内にとどまる。予算案の編成を担う経済・財務相には、政府系金融機関の預金供託金庫(CDC)でトップを務めてきたロンバール氏が任命された。 ニュース専門局フランス24などによると、マクロン氏は元首相2人を入閣させることで、バルニエ前内閣のような短命内閣に終わらせないとの意向を反映させたとみられている。ただ、今回も多様な人事とはならず、むしろ「おなじみのメンバー」といった皮肉めいた声も上がる。 連立入りを拒んだ極右政党・国民連合(RN)は存在感を示した。今回の組閣では、RN批判の急先鋒(せんぽう)として知られ、北部オードフランス地域圏議会議長を務めるベルトラン氏が法相に起用されるとの呼び声が高かったが、RNが事前に反対を表明したことで見送られた。ベルトラン氏は声明で「ルペン氏の承認を得てできた政府への参加は拒否する」と強調した。 一方、議会最大勢力の左派連合「新人民戦線(NFP)」は法定退職年齢を62歳から64歳に引き上げた2023年の年金改革を廃止しない限り、25年度予算案に反対する可能性が高い。バイル首相は微調整や改善には前向きだが、全面的な廃止には応じないとしている。新内閣は来年1月3日に、初の閣議を開く。