【なんと漫画の影響も?】人類は宇宙をなぜ目指す?「お金以外」の本質理由 政治、科学、ロマン…実は深い「7つのワケ」は?
日本の宇宙関係者には、松本零士先生の『銀河鉄道999』や『宇宙戦艦ヤマト』を観て宇宙の虜になった人も数多くいます。 2つ目は、「真理を探究したい」という科学的な動機です。 以前、「『ブラックホール』で“時が止まる”は本当なのか?」や「【宇宙の95%を支配】計測不能『2つのダーク』とは」では、宇宙科学に残る大きな謎についてお話ししました。 宇宙は、知的好奇心をくすぐる謎に満ちています。 そして、謎があったら、解きたくなるのが人間です。
宇宙の謎を解くことを目指して、コンピューターで宇宙を再現したり、望遠鏡で遠くの星を観測したり、探査機を送り込んだりしているのです。 3つ目は、「新しいモノを生み出したい」という技術的・工学的な動機です。 宇宙に挑むには、ロケット、探査機、生命維持装置などの機器が欠かせません。 とくに、今後、月や火星での長期滞在を目指そうと思うと、革新的な技術開発が必要となります。多くの困難を乗り越えなければならないわけですが、そこに燃える人もいるのです。
1つ目がロマンチスト、2つ目がサイエンティストなら、3つ目はエンジニアですね。 ■宇宙開発は国力の誇示につながる 4つ目として、「国の力を誇示するため」という政治的・軍事的な理由もあります。 歴史的に宇宙開発は軍事開発と表裏一体でした。ロケットを計算通り宇宙に飛ばせるということは、敵国にミサイルを撃ち込む能力がある、ということになるからです。 実際、ロケットは、その先端に、人や物を乗せれば「宇宙ロケット」に、爆弾を積めば「弾道ミサイル」になります。飛んでいく仕組み自体は同じです。
現在でも、宇宙開発で存在感を示すことは自国の力を誇示することにつながるため、各国の政府が宇宙開発に投資しているという側面もあります。 今回、宇宙空間に投入された防衛省の通信衛星「きらめき3号」は、陸海空自衛隊の統制能力を強化するものなので、この4つ目の理由に当てはまります。 国の力を強化・誇示することは大切なことではありますが、宇宙開発の発展の先に理不尽に人が傷つけられることがあってはなりません。