ウイスキーとの違いは? スコッチについて知っておきべき基本のき
スコットランド人に「スコッチとウイスキーは同じじゃないの?」と聞くのは絶対NG。なぜなら彼らにとって愚問中の愚問だから。スコッチはスコットランドで作られるウイスキーだけど、さらなる会話に備えて、この二つの違いを知っておこう。
ウイスキーとは?
ウイスキーは発酵させた穀物のマッシュから蒸留される蒸留酒で、通常は木製の樽の中で熟成させる。ウイスキーには、バーボンウイスキー、ライウイスキー、スコッチウイスキー、アイリッシュウイスキー、ジャパニーズウイスキーなど、多くの種類がある。 それぞれの違いは、マッシュに使う穀物の差。スコッチは麦芽、バーボンはとうもろこしが主原料。ライウイスキーは、お察しの通りライ麦が主原料。個人によって好みはいろいろ。
スコッチとは?
スコッチは通常、大麦の麦芽から蒸留された蒸留酒で、オーク樽で熟成させる。ほとんどの蒸留酒と同様、スコッチには製造方法を定めたさまざまな規定がある。「スコッチウイスキー協会」によると、すべてのスコッチは少なくとも3年以上かけて熟成させたもので、瓶詰め時点のアルコール度数が最低でも40%と定められている。 この3年という期間はあくまでも最低熟成期間に過ぎず、10年や15年もの、18年ものなど、さらに長い期間熟成されたスコッチが販売されている。スーパープレミアム(そしてかなり高価な)ボトルのなかには、20年以上熟成されているものもあるという。さらに、スコッチはスコットランドで製造されなければならない絶対的なルールがある。万が一、製造中に樽が国境を越えてイングランドにいった場合、もはや真のスコッチとは見なされない。 これらのガイドラインは、スコッチを定義する大まかな描写にすぎない。スコッチにはさまざまな種類があり、最終的には、それぞれまったく異なる味に仕上がることを覚えておこう。
スコッチの種類
・シングルモルト ここでいうモルトとは、シングルモルトに使用することが許された唯一の穀物である大麦麦芽のことを指す。勘違いされやすいけれど、シングルモルトは単一のタンクや樽から造られるわけではく、単一の蒸留所で製造されたスコッチ。つまり、「グレンドロナック」のようなシングルモルト・スコッチは、同じ蒸留所で製造されている限り、製造年や樽が異なるウイスキーをブレンドできる。 そもそも麦芽とは、大麦を水に浸して発芽させたもの。この工程を経ることで、大麦がアルコール発酵しやすくなる。 ・ブレンデッドモルト ブレンデッドグレインスコッチやブレンデッドスコッチと混同しないように。ブレンデッドモルトは、複数の蒸溜所の異なるシングルモルトをミックスしたウイスキー。ほかのブレンデッドタイプとは異なり、ブレンデッドモルトスコッチにグレインウイスキーは一切含まれていない。 ・シングルグレイン シングルモルトと同様、シングルグレインスコッチは単一の蒸留所で製造される。呼び方のせいで混乱するけれど、シングルモルトとシングルグレインの最大の違いは、シングルグレインは大麦麦芽だけで造る必要がない点。シングルグレインは、小麦、とうもろこし、ライ麦などの穀物を、一つ以上(麦芽かどうかに関係なく)使って造る。そのため、シングルグレインのスコッチはスモーキーさより、ライトボディでまろやかで甘みが強いのが特徴。 シングルモルトとシングルグレインのもう一つの違いは、後者のほうが安価で大量に製造できる点。そのため、シングルグレインはおもにブレンデッドスコッチを造るために使用される(ブレンデッドスコッチの詳細については下記を参照)。 ・ブレンデッドグレイン 複数の蒸留所のシングルグレインをブレンドしたウイスキーで、マイルドで軽い味わいが特徴。真のウイスキー好きが探し求めて楽しむような、珍しいタイプのブレンデッドグレインスコッチも存在する。 ・ブレンデッド 一番広く包括的なタイプのスコッチで、異なる蒸留所で製造された一つ以上のシングルモルトと一つ以上のシングルグレインをブレンドしている。5種類のスコッチのなかでもっとも普及していて、一番飲みやすい。「デュワーズ」「ジョニーウォーカー」「ザ・フェイマス・グラウス」など、多くの有名銘柄がある。