遠のく出番、不遇の時間に涙にじむ…山本悠樹は川崎F加入後2度目のフル出場「きつかった。でも楽しかった」
[9.27 J1第32節 川崎F 5-1 新潟 U等々力] 今季加入から2度目のリーグ戦フル出場となった。川崎フロンターレMF山本悠樹は2ボランチの一角としてプレー。7試合ぶりの先発で攻守に動き、「きつかったです」と正直に疲労を明かしつつ「でも楽しかったですね」と笑顔を見せた。 【写真】Jリーグ歴代最強の助っ人…元浦和エメルソン氏の現在の姿に反響「うおお」「随分…」 中盤の底から攻撃のタクトを振った。後半18分にはチーム3点目をアシスト。自陣近くでDF高井幸大がボールを奪うと、山本はすばやく前線に空いたスペースへと走り込み、パスを受ける。あせらずボールを運びながら次の選択肢を増やしていき、PA右にラストパス。FWエリソンのゴールを演出した。90分を走り切り、チームの今季公式戦最多5得点を支えた。 主力として活躍を続けてきたガンバ大阪からの移籍初年度で、シーズン開幕当初はコンスタントに先発入りしていたが、その後はメンバー外の時間も続いた。フル出場は加入後2度目、3月9日の第3節・京都サンガF.C.戦(●0-1)以来だった。不遇の時間を振り返り、「話せば長くなる。受け入れがたいこともたくさんあった。きついなという思いも多かったので。そういうときに支えてくれた人に感謝したい」。こみ上げた思いを言葉にしながら、目には涙がにじんでいた。 仲間の支えにも感謝を伝え、「面と向かって言うことはないですけど」と瀬川祐輔の名前を挙げた。「楽しそうにいてくれるのはすごく助かった。いい感じの距離感で声をかけてくれた」。悔しさをバネに、仲間の思いを汲みながら、この日の勝利にたどり着いた。「今日何かを成し遂げたわけではないけど、そういう人たちに感謝をしたい」と晴れやかな表情を見せていた。 ルヴァン杯は準決勝まで勝ち進み、ACLエリートも始まった。負傷者も出るなかで、山本に懸かる期待も大きい。「誰かのサブでいようと思っていない。やるべきことをやるだけ。外野に惑わされずに、自分のやるべきことを続けたい」。出番が来たそのときに、最高のパフォーマンスを示していく。