一部外国人の迷惑行為を断罪「日本の平和を大切にしたい」 在日仏人YouTuberのフロリアンさんは、騒動をどう見るのか
インバウンドの悪影響防ぐには、「住民向けの割引」がいい
――ところで、インバウンドの悪影響として、ホテルやスキー場の価格高騰が日本人の生活に影響を与えていることも指摘されています。こうした点については、どうお考えですか? フロリアン:最近、宇治で抹茶が品薄になり、価格が上がるという話を聞きました。昔から抹茶を飲んでいる地元の方々にとって、これがインバウンド観光の影響で起こっていると思うと気の毒に感じました。可能であれば、地元の方々を守るために二重価格制度を導入するのも良いと思います。観光業界以外の人々はインバウンド観光の恩恵を受ける機会が少ないため、価格の上昇が続くと負担が大きくなりすぎるのではないかと懸念しています。 ――二重価格制度を導入すると、外国人差別だとの批判が出ることが予想されますが、観光地では世界で一般的に広がっていることから、外国人差別とは必ずしも言えないのでしょうか? フロリアン:おっしゃる通り、二重価格制度は観光地で広く見られますが、その意図が重要だと思います。透明性をもって導入されれば、地元住民を守りつつ、観光客が経済に適切に貢献する仕組みとして位置づけられるでしょう。 例えば、「地元住民向けの割引制度」を強調すれば、外国人に対して「高い価格を設定する」というネガティブな印象を与えることなく、自然に地域の人々を優遇することができます。他国では観光客を見て「顔で価格を決める」ような不透明なやり方もありますが、これは日本文化には合わないと思います。明確で公平な価格設定が最も適していると考えます。
多くの外国人は、日本の安全さを自国にもと願っている
――インバウンドのネガティブな面を指摘する声もありますが、実はメリットも多いということはありますか?日本人が気づかない自らの魅力についても、外国人から教えてくれる機会になっているのでしょうか? フロリアン:経済的には、インバウンド観光は日本に良い影響を与えています。また、多くの人々が日本の文化、食、観光名所を楽しみ、発見しています。 私が出会ったほとんどの外国人観光客は、日本での体験を素晴らしいものだったと語り、日本の安全さを自国にも取り入れたいと願っています。多くの人が日本を訪れることで人生観が変わったと感じているようです。少なくとも私にとっては、日本との出会いは人生を大きく変えるものでした。 桜の季節は価格が高騰しますが、それでも多くの人が世界中から訪れて日本の桜を体験したいと思っています。それを見ると、こんなに美しい国に住める自分は本当に幸運だと感じます。 また、インバウンド観光は文化交流の機会も提供しています。日本人と外国人がお互いから学び合うことができるのは、相互理解やアイデアの共有という点で非常に価値があります。 フロリアンさんは、将来的には日本で自分の会社を立ち上げ、フランスと日本、そして観光客と京都の地元をつなぐ架け橋になりたいという。「私のYouTubeチャンネルが成長し、いずれは京都の地元や日本全体に貢献できるプロジェクトを始められることを願っています」とつづっていた。