「早急な職務停止が必要だ」野党だけでなく与党からも… 韓国大統領に退陣要求
日テレNEWS NNN
これまで支えられてきた“味方”からも、公然と退陣を求められました。韓国の尹錫悦大統領は6日、与党の代表から「早急な職務停止が必要だ」として、退陣要求を突きつけられました。 ◇ 6日午後3時ごろ、韓国の国会議事堂に緊張が走りました。 「尹錫悦(ユン・ソンニョル)を逮捕せよ! 尹錫悦を逮捕せよ!」 入り口付近に詰めかけた大勢の議員らや報道陣。尹錫悦大統領が、国会に姿を現すという情報が駆け巡ったのです。誰かが出入りするたびに、フラッシュがたかれました。
大勢が待ち構える中、このわずか10分後、大統領府が「尹大統領は国会へ行かない」と声明を発表。この状況を見て、取りやめた可能性があります。 ◇ “宣言”が出されて以来、混乱が続いている韓国。 韓国の国民 「非常戒厳ということ自体が、国が国民に銃を向けたことだと考えています。そんなことが二度と起きてはいけない」 国の非常事態だとして、3日に44年ぶりとなる「非常戒厳」を宣言した尹大統領。一時、軍の支配下となった国会では、国民と軍隊が衝突。大混乱となりました。 ことを招いた大統領に対し、韓国の野党は退陣を求めています。
最大野党「共に民主党」代表 「今、我々は非常に重大な歴史の分岐点に立っている。大統領がもたらしたこの国難を、一刻も早く終わらせなければならない」 一方の与党は、これまで尹大統領の退陣には反対の姿勢を示していました。しかし、6日に少しけげんな表情で会見場へと向かった与党の代表。その口から語られたのは…
与党「国民の力」代表 「国と国民を守るために、尹大統領の早急な職務停止が必要だと判断する」 退陣反対から一転、賛成に。なぜなのか。 与党「国民の力」代表 「戒厳令を出した当日、尹大統領は主要な政治家らを反国家勢力という理由で逮捕しようとした」 戒厳令に乗じて、尹大統領が国会議員らを逮捕しようとしていたというのです。尹大統領自身は否定しているといいますが、代表は“信頼できる情報”だと話しました。自身も逮捕の対象だったといいます。 味方であるはずの与党代表を逮捕しようとした理由はわかっていませんが、なぜ「非常戒厳」宣言は出されたのか。その一つの可能性として韓国メディアは、“尹大統領が選挙の不正を暴くため”だと伝えています。
その根拠として、軍と国民が国会で衝突していた時、全く別の場所で軍の姿を捉えた映像があります。国会から約13キロ離れた中央選挙管理委員会です。国会突入と同時刻に、軍はそこを占拠していました。 この他にも2か所、選挙に関する施設を占拠。国会突入よりも多い300人近くの隊員を投入し、選挙の不正に関する調査を行ったと伝えられています。 支持率に苦しんでいた尹大統領。今回の宣言後、さらに低迷し過去最低となっています。