「乗らなくても」じゃなくて「乗らないほうが」ボロくなる! 長期間動かさないクルマがみるみる劣化するワケ
■紫外線で内外装にダメージが進む
外観で最大の敵は紫外線でしょう。紫外線というのは、ちょっとの照射で日焼けしてしまうくらいパワーが大きいものです。屋根のない青空駐車でカバーもかけていない状態では、毎日のように紫外線のパワーに晒されているので、表面の劣化がじりじりと進んでしまいます。 クルマの塗装はそれなりに紫外線の耐性も考えられているようですが、それでも長期間の放置では劣化してしまいます。まず最表面のクリア層がダメージを受けてツヤがなくなってきます。これだけでも結構みすぼらしく感じてしまいますが、赤や黄色などの原色で発色の良いカラーの車両では、よりダメージを受けやすい傾向があるので、発色がどんどん失われていきます。赤いクルマだったのに、数年で白っちゃけたピンクになっていた……なんていうケースもたまに見かけます。 これは内装にも当てはまります。とくに陽の当たる箇所のダッシュボードや後部席のヘッドレストが白っぽくなってしまっているのは、紫外線によるダメージです。
■カビや細菌の活性化で臭いが出る
これは旧いクルマでとくに多い状況ですが、しばらく放置した車両のドアを開けたら、独特のなんともいえない臭いがブワッと漏れ出てくる、というケース。 その原因としてはカビや細菌が挙げられます。クルマの室内は密室ですが、空調などの通路でわずかに外ともつながっていますので、湿気を含んだ空気が入ってきたりします。それが気温の高い時期に熱せられると温室のような状態になり、もともと付着していた皮脂や汚れなどに含まれているカビや細菌が活性化します。それがあの臭いの原因の主な部分ともいわれています。 クルマの放置で起こる不調の原因をいくつか挙げてみました。長期間放置していると、このようにいろんな箇所でいろんな症状が進んでしまいます。クルマをひんぱんに動かしていれば、そのほとんどの原因が進まずに済ませられるので、不調や劣化を防ぐには放置しないというのが根本的な解決策だと思います。 ある意味「目をかけてやらないと拗ねる」というのは間違いではないかもしれませんね。
往 機人