DeNA 2年目右腕・吉野がプロ初星 直球で押した5回2失点 前夜の悪夢払しょく
「ヤクルト2-5DeNA」(23日、神宮球場) 長いまつげからは大粒の汗が滴り落ちた。DeNAの2年目右腕・吉野が5回2失点でプロ初白星。「野手陣の方に助けていただいて初勝利を挙げることができて、うれしいの一言です」。ウイニングボールを固く握りしめた右腕は言葉に感慨を込めた。 力あふれる直球で押した。「初回からどんどん飛ばしていこうと思っていました」。二回にオスナに先制被弾。三回には九州学院の1年後輩・村上に適時打を浴びたが、吉野の気迫が上回った。味方打線の援護を呼び、記念すべき1勝を手にした。 上武大、トヨタ自動車を経て、2022年度ドラフト2位で入団。即戦力の期待を受けながら、2度の腰の疲労骨折で今季ようやく1軍デビュー。そんな右腕のきっかけは3日の阪神戦だった。4回3失点と苦い内容だったが、四回2死満塁のピンチで近本を見逃し三振。「あの場面で抑えられたのが自信になった」。自身を照らす1球になっていた。 チームは前夜、最大6点差を逆転される痛い敗戦を味わったが、苦労人の初星で悪夢を振り払った。3位・阪神も勝って3・5差のままだが、このまま追走していく。 ◆吉野 光樹(よしの・てるき)1998年7月19日生まれ、26歳。熊本県出身。176センチ、80キロ。右投げ右打ち。投手。九州学院では1学年下にヤクルト・村上がいた。その後、上武大、トヨタ自動車と進み22年度ドラフト2位でDeNA入団。新人の昨年は春先に腰を痛め2軍でも4試合の登板のみ。今季7月13日の巨人⑫戦でプロ初登板初先発も黒星に終わっていた。