投資銀ラザード、第3四半期は大幅増収増益 M&A再開で
Manya Saini Tatiana Bautzer [31日 ロイター] - 米投資銀行ラザードが31日発表した第3・四半期決算は、大幅な増収増益となった。高金利と不安定な市場により過去2年余りにわたって低調だった合併・買収(M&A)の動きが再開し、業績を支えた。 第3・四半期の収入は前年同期比50%増の7億8500万ドル。純利益は前年同期の700万ドル(1株当たり0.06ドル)から1億0800万ドル(同1.02ドル)に急増した。調整後の1株利益は0.10ドルから0.38ドルに増えた。 金融アドバイザリー部門の収入は39%増の3億7100万ドルとなった。 ラザードのピーター・オルザグ最高経営責任者(CEO)はM&Aの動向について、短期的には米大統領選の結果を見極めようと先送りする動きもみられると指摘しつつも、楽観的な見通しを示した。 オルザグ氏は、M&Aを成立させる上で、新政権下で現在と同じ規制環境が続く場合が「最悪のケース」になると警告。大統領選でハリス副大統領が勝利すれば、反トラスト審査を担当する新たな当局者が就任してM&Aにより好都合な規制環境となる可能性があると説明した。 一方でトランプ前大統領が返り咲いた場合には、規制が一段と緩和される可能性があるとした。 ラザードの資産運用事業は第3・四半期に収入が3%増加。運用資産総額は前年同期の2360億ドルから2460億ドルに増えた。