掃除やごみの状態を見れば、その人の日常や未来が見える!清掃のプロが実体験から導き出した幸せの実現法とは?
清掃のプロが実体験から導き出した「掃除」と「幸せ」の関係
「家のすみずみを掃除したら金運が上がった」「部屋をきれいに片づけたら幸せになった」。そのような言説をよく見聞きしますが、どこかスピリチュアルめいていて懐疑的に捉えている人も多いのではないでしょうか? 掃除や片づけで気分が良くなるのは確かだけど、金運や幸せにまで結びつけるのは飛躍しすぎではないか──そのような思いを抱えている方に読んでいただきたいのが、『世界一清潔な空港の清掃人と日本一のごみ清掃員をめざす芸人が見つけた「ごみと掃除と幸せな人生」』(三笠書房)という本です。 タイトルにあるように、著者は「世界一清潔な空港の清掃人」として知られる新津春子さんと、「日本一のごみ清掃員をめざす芸人」であるマシンガンズの滝沢秀一さん。本書では清掃のプロとして活躍するお二人が「掃除」と「幸せ」の関係を語っているのですが、実体験が基になっているだけに説得力が抜群で、どちらかというと懐疑派だった筆者も「やらなきゃ」という思いに駆られました。 今回は、本書で紹介された掃除やごみにまつわる興味深い事象の一部をご紹介します!
【滝沢秀一さん】ごみをいいかげんに出す人は、お金も時間も損している
ごみ清掃員をしていると、それまで気がつかなかった人々の人生が垣間見えることがあります。「出されたごみを見れば、その人がどんな人なのかがわかる」なんてこともある。これは特殊能力でもなんでもありません。たとえば、そこに住んでいる人がお金持ちなのか、そうじゃないのかとか、出されているごみから、暮らしのスタイルのようなものがわかってしまうということです。 では、ここでみなさんへ質問です。 「高級住宅街」と「それ以外の地域」では、どちらのほうがごみが少ないと思いますか? 正解は「高級住宅街」です。これ、意外じゃないですか? 高級住宅街に住んでいるお金持ちのほうが、好きなものを好きなだけ買って、いらなくなったらさっさと捨てちゃいそうだからごみの量が多くなる。そう思いますよね。 でも実際は違うんです。 その理由はふたつあって、ひとつがお金持ちは、いいもの(長持ちするもの)を使っているということ。そして、もうひとつが、お金持ちは使い捨てのものを買わないということ。 高級住宅街で出されるごみを見ていると、そこに住む人たちが「小さな消費」「ムダな消費」をしていないことがわかります。集積所にあるごみはきちんと分別されているのはもちろん、ごみの出し方もきれいです。ごみの集積所ですらそんな感じなので、きっと家の中も整理整頓されていて、モノが少なく、どこに何があるかもわかっているので、ムダな買い物もしていないと思われます。 一方、使い捨てのものが多く捨てられていたり、スーパーの割引シールが貼られた惣菜がそのままごみで出されていたりする地域もある。物価高が続く昨今、安く売られている食品をまとめ買いしたり、節約する工夫は大事なことだけど、それらは消費期限も早かったりするので、結局食べ切れずに捨ててしまうことになりやすい。 また、家の中にモノが多いと自分が何をどれだけ持っているかわからなくなって、「ない」と思って買ったら、あとから同じものが2個出てきたとか、部屋の中がこまごまとしたモノであふれて、いつも探し物に時間をとられているとか、思い当たる人もいるはず。そのへんをいいかげんにしちゃうと、食べ物やお金だけでなく、時間までムダにしていることになるんです。