エクセディが量産開始

エクセディは本社工場（大阪府寝屋川市）で飛行ロボット（ドローン）用プロペラの量産を始めた。ヤマハ発動機の「YMR―II」に採用が決まっているほか、複数のドローンメーカーと商談が進んでいる。国産であることの安心感に加え、自動車向け製品で培った品質保証体制などが決め手になった。エクセディはドローン部品としてモーターと電子スピードコントローラー（ESC）の開発も進めており、2024年度内の量産化を目指す方針だ。 本社工場内にドローン用プロペラ専用の生産ラインを新設した。生産規模と金額は非公表だが、能力は月1000台以上あるとしている。 エクセディは自動車向け駆動部品で培った技術力を生かし、ドローン部品やロボットなど他分野への進出を図ってきた。ドローンはヘリコプターよりも小型で低空を飛ぶため、プロペラやモーター部品では静音性や高剛性が要求される。部品の成形加工能力や、モーターについては急な加減速や振動に耐えられる能力も求められる。 同社は開発本部システム設計部にドローン推進システム設計チームを設置済み。23年12月にはトルコのドローン関連のスタートアップであるBaibarsに出資するなどノウハウを蓄積している。 ドローンメーカーに対する部品の提案では、品質保証に加え、安全保障に対するユーザー意識の高まりも追い風になる。市場で高シェアを握る中国製ドローンへの警戒感が強まり、日本や欧米企業は中国製以外へのシフトを強めている。