使えると便利!東大生が教える「片手で31まで数える」方法 知ると視野が広がる「n進法」の興味深い世界
ここまで「n進法」の考え方について、いくつかの具体例を挙げて紹介してきました。最後に、この「n進法」がビジネスやテクノロジーにはどのように役立っているのかを解説します。 皆さんは「バイト」という単位を聞いたことはありますか? おそらく、キロバイト(KB)、メガバイト(MB)、ギガバイト(GB)という言葉になじみがある人が多いでしょう。ここで登場する「キロ」や「メガ」といった言葉は数の大きさを表す接頭語です。
この「バイト(Byte)」は、コンピューターなどにおいて扱うデータの量を表す単位です。今皆さんはパソコンやスマホ等の情報端末を用いてこの記事を読んでいると思いますが、この文字情報もデータの一種であり、文字1文字(正確に言えば半角英数文字1文字)のデータ量が1バイトと定義されています。 ちなみに、1キロメートルは1000メートルですが、コンピューターの世界では2進法が使われているため、1キロバイトは1000バイトではなく2の10乗の1024バイトと換算されます。同様に、1024キロバイトで1メガバイト、1024メガバイトで1ギガバイトというふうに、2の10乗を一区切りとして単位が変わっていきます。
■最小の単位は「ビット」 ちなみに、1バイトという単位も実は最小単位ではありません。 1バイト(Byte) = 8ビット(bit) という式が成り立ち、コンピューター上のデータの最小単位はビット(bit)となります。これが、冒頭で説明した2進法の「0」または「1」のどちらかを表す1桁の数字になります。 つまり1バイトは8桁の2進数となるため、「00000000」から「11111111」まで2の8乗、実に256種類の情報を表現できることになります。このそれぞれに「a」「b」や「1」「2」というような文字を対応させることで、1バイトの情報で1種類の文字を表すことができる仕組みを作ったのです。
この数字を無限に連ねて、長い文章や画像、さらに言えば動画といった膨大な情報量を解析して表示しているのです。このように考えると、コンピューターには2進法の考え方が必要不可欠であることがわかりますね。 もともと高校数学での履修範囲であった「n進法」は2022年度より、新課程の学習指導要領に新しく加わった「情報」という教科で学習することになりました。いずれにせよ今の世の中でより重要になっていく単元であるため、興味を持った方はいろいろと調べてみても面白いでしょう。
永田 耕作 :現役東大生・ドラゴン桜チャンネル塾長