使えると便利!東大生が教える「片手で31まで数える」方法 知ると視野が広がる「n進法」の興味深い世界
数学を使った世の中の仕組みを知ることで、物事を見る視野が広がります。現役東大生の永田耕作さんが数学の魅力について解説する連載『東大式「新・教養としての数学」』。今回は「n進法」について解説します。 【図で理解】2進法を使って片手で31まで数える方法 ■思い出してほしい「2進法」のロジック 今回は、まずこちらのクイズから考えてみましょう。 問題:片手を使って数えられる数はいくつまでですか? いかがでしょうか。おそらく多くの方は「5」だと考えるでしょう。実際にこの数え方を使ってものを数えたり、何かを表現したりすることもあると思います。
しかしこの問いを僕の周りの東大生に投げかけると、「31」や「32」と答える人が現れるのです。これは驚きですよね。 この「31」や「32」はどのようなロジックで導き出されているのか。ここに中学校や高校の数学で習う「2進法」という数字の考え方が隠されているのです。 2進法とは0と1だけで数を表す記法のことで、それによって表された数を2進数と呼びます。コンピューターの電子回路などで使われているため、その名前を聞いたことがあるという人も多いでしょう。
2進法で表された数は「101」、「1001110」などのように、0または1の数が各位で連続することになります。2進数での数の数え方を小さいものから順に考えると、次のようになります。 ■10進法 → 2進法 0 → 0 1 → 1 2 → 10 3 → 11 4 → 100 5 → 101 6 → 110 7 → 111 8 → 1000 9 → 1001 10 → 1010 0と1しか使えないため、1の次に大きい数は「2」にはならず、位がひとつ増えて「10」になります。
同じ要領で進めていくと、1を1番目とした際の10番目の数は「1010」の4桁で表されることがわかります。 ちなみに、われわれが普段当たり前に使っている数の数え方は「10進法」と言います。これもいくつかの数の記法のうちの1つでしかないのです。0から9までの10種類の数を使ってものの大小を表しているので、10進数となります。 話を戻しましょう。ここまで説明した2進法の考え方を応用すると、片手でより多くの数を表すことができるのです。