<春に駆ける’23センバツ専大松戸>第2部・支え/3 全幅の信頼、マネジャー3人 「今より良く」常に考え /千葉
2月上旬、専大松戸のグラウンド脇のキッチンで、3人の女子生徒がおにぎりを握っていた。激しい運動でカロリーを消費した選手たちにとって、練習後に欠かせない補食だ。「時々塩がかかりすぎてしまう時もあって、選手から『塩爆弾』ってクレームが来ます」と笑う。 3人は野球部マネジャーの北川詩温さん(2年)、大角奏歩さん(1年)、山方花音さん(同)。その仕事はグラウンドに隣接した建物の掃除から、選手が使ったタオルの洗濯、訪問客への対応まで多岐にわたる。役割分担は決めておらず、気付いた人が自主的にやるのが暗黙のルールだ。 3人が心がけているのは、選手同士とは違ったタイプのコミュニケーション相手になることだ。体調不良や精神的なプレッシャーに苦しんでいても、チームメートに弱音を吐くのが苦手な選手もいる。こうした場合も気軽に相談してもらおうと、学校での出来事や進路といった野球と直接関係のない話題について、普段から選手たちと積極的に話をする。大角さんは「全体を見渡すことが自分の役割」と自任している。 チームのサポートのあり方についても、選手たちの意見を聞いて柔軟に対応する。「今より良くする方法をいつも考えている」と山方さん。現在は補食のおにぎりを別のメニューに変更することを検討中だ。持丸修一監督も「言う前にやってくれる。気の利くマネジャーたちだ」と3人には全幅の信頼を置く。 自分たちがフィールドでプレーするわけではない。試合中にベンチに入ることが許されるマネジャーも1人だけだ。「自分がヒットを打って貢献することはできない」と北川さん。だからこそ3人で心を合わせ、代わりに何ができるだろうと常に考えている。=つづく