あなたの会社は大丈夫?...日本企業が見習うべき、コカ・コーラ社流「時間を無駄にしない」会議の秘訣
地方のFラン大学卒で0から営業を始めた著者は、いかにして「日本一の営業」へと大変貌を遂げたのか?「毎日が凄く辛い」「外回りをしている自分が情けない」...消極的に取り組み始めた営業の仕事が天職になるまでには、どんな心境の変化があったのか? 【漫画】頑張っても結果が出ない…「仕事のできない残念な人」が陥るNG習慣 人と人との関わり合いである営業で得た「学び」には、どんなビジネスにも活かせるヒントが満載。仕事への向き合い方や他者の心の動かし方に迷うビジネスマン必読の話題作『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』(山岡彰彦著)から、内容を抜粋して紹介する。 『コカ・コーラを日本一売った男の学びの営業日誌』連載第15回 『コカ・コーラを日本一売った男が営業人生を振り返る...部門移動や挫折を経て辿り着いた営業マンの「極意」』より続く
「時間を奪うだけ」の会議
これまで多くの会議に出て感じていたことですが、一つの取り決めを進める際、最初に決めていた大きな枠組みに対して、細かな話に入った段階で、最初の枠組みに戻って、話を蒸し返す人が出てくることがあります。 そうなると議事が上手く進まず、訳がわからなくなったり、なんとなく曖昧な結論で終わったりすることが少なくありません。 ところが、日本コカ・コーラ社の会議ではこういった場面に遭遇することは稀でした。会議で合意がとれたものに関しては、そこに戻ることはなく、それを傘とした各論で自分たちの考えを出し合い、意見をぶつけ合うのです。口論のようになったりすることはありますが、各論から総論に戻るようなことはありません。
明確な結論を出すために
その日は朝から会議です。会議の目的は次回の営業担当者会議でどういうテーマを取り上げるのかということです。最後に2つのテーマに絞られ、散々意見を出し合ったあと東阪名(東京・大阪・名古屋)の軸で営業施策を取り上げることに決まりました。 もう一つの各地の施策を取り上げるテーマも捨てがたいのですが、明確なテーマを決めるのが目的なので一つに絞ります。たとえ49%対51%の支持の違いでも、一度51%でいくと決まれば、以降は49%の話は一切ありません。51%をいかに上手く進めるのか、それをどうするのかに全員が集中します。 会議を終えて、隣に座っていた山本さんに話しかけます。 「ここでの会議は本当に結論がはっきりと出るんですね。私がいままで出ていた会議では、これほどきちんと合意がとれることはなかったので、ちょっと驚きです」 山本さんは普通のことのように答えます。 「会議でも何でも同じで、最初にその場の目的、つまり何を決めるのかを全員に伝え、それに向かって話が進むよね。一度、大枠が決まれば、それに沿って話をするのは当然と言えば当然。ここは自分の考えを出し合う場であるけど、みんなで目的を達成させる場だからね。他のことはよくわからないけど、結構、曖昧な結論になってしまう会議をやっていると聞いたことはあるよ。でも、それじゃ、みんなの時間を奪うだけの場になってしまうでしょ」 私はそういった場を何度も経験してきました。