介護施設の1日を観察 動画で福祉の現場を発信(秋田県)
秋田県は30台の定点カメラで介護施設の1日を撮影した動画「24時間観察ドキュメンタリー 介護のホンネ」をユーチューブで配信している=写真。介護職員の見えにくい努力や利用者との絆を映す映像と、仕事に対する思いなどを語る介護職員4人の本音トークで、介護の仕事のありのままを伝える。長編(21分)と短編(8分)がある。 特にこだわったのは現場視点の発信だ。利用者と触れ合うなど介護の仕事のやりがいや魅力を知ってもらうため、現場の裏側まで見せるようにした。そうすることで介護の仕事に対するマイナスイメージや働き始めてからのギャップをなくすことができる。 総撮影時間は720時間。介護職員も参加して現場のリアルを伝えるため細部までこだわって編集した。出演する介護福祉士の須藤千里さんは4年前に異業種から転職した。「こんなに楽しい仕事はない。利用者から自分が知らない経験談を聞けるし、工夫して利用者の笑顔を引き出せた時はうれしい」と話す。 県の介護人材は2030年に推計で1680人不足するとされる。動画は人材確保に向けて介護のイメージアップ事業の一環として制作された。県の担当者は「介護ロボットやICT(情報通信技術)は必要だが、介護は人でないとできないところが多く、人材確保が必要だ」と話している。