「オレンジの吉野家」より「黒い吉野家」のほうが従業員の歩数が30%少ない…儲かる店舗の意外な秘密
■スシローのDX化に見る「うまい接客」 先日、10年以上ぶりにスシローに行きました。 入り口にタッチパネルがあり、カウンターかテーブル席かを選ぶようになっていました。 戸惑っていたら、店員が近づいてきて丁寧に教えてくれました。高齢のお客には代わりに入力していました。 座る席番が書かれたシートを見ながら席につき、タッチパネルで商品注文の始まりです。 約100席ほどのお店ですが、ときどきホールの店員が見えなくなることがあります。奥から出てきたなと思ったら、サービスワゴンを持っていて、「空いているお皿、お下げします」などと巡回します。 久しぶりだったので驚いたのですが、タッチパネルになったため、会計時に皿を数える必要がなくなっています。 また、ピークの終わりに一気に皿が戻らないので、洗い場の負荷が均等になります。 平日の昼、住宅街のお店に入ったので高齢客が多かったですが、皆タッチパネルが使えます。会計はセルフレジですが、店員にも頼めるようでした。お客の様子を見ながら店員が1人で対応していました。 私が考える「接客の重要ポイント」は、「入店時」「退店時」「質問対応」です。 ここがよければ、評価が高くなります。 このお店でそれを担当していた2名の店員は、テンション、笑顔、目配り、会話と、どれも素晴らしく、今年もっとも記憶に残る見事な接客でした。 スシローの場合、かなりの設備投資費がかかっているでしょう。 また、重要ポジションを担当する人の技量、コンディションによって満足度に差が出るでしょう。 ただ、私の満足度は、満点でした。 機械化、省力化しながら重要ポイントは押さえて満足度を保っている、大成功例だと思いました。 ---------- 難波 三郎(なんば・さぶろう) 中小企業診断士(飲食店専門) 1967年生まれ。ながらくフリーターとして多くの店で修業した後、1999年に渋谷区で飲食店を開業。2006年に中小企業診断士の資格を取得し、『メニューが飲食店を救う!』(こう書房)を出版。希少なメニュー関連の本としてヒット。これを機に全国で活動するようになる。現在は出身地である岡山市に所在し、近隣県の商工会議所、銀行などから依頼を受けて中小・個人の飲食店を中心に利益増加のアドバイスを行う。同時に、週の半分は東京など都市部からの依頼を受けて全国で活動。年に約30社と向き合いながら、年に約50回のセミナーを開催している。日本調理製菓専門学校経営学非常勤講師。 ----------
中小企業診断士(飲食店専門) 難波 三郎