「無実の罪」を科学捜査で排除…韓国警察・優秀事例コンクール1位に地方の現場鑑識要員
【10月24日 KOREA WAVE】「現場にすべての答えがある。見えない指紋まで見つけて事件の犯人を特定した時の爽快感が忘れられません」 韓国・警察庁科学捜査優秀事例発表コンクールで4日、先輩たちを抑えて堂々と全国1位に輝いた全北警察庁科学捜査係現場鑑識要員のヤン・ヘミン巡査(33)が受賞の感想をこう語った。 ヤン・ヘミン巡査は今回のコンクールで、影の映像再現から、容疑者と目されてきた男性を嫌疑なしと立証した事実を発表し、堂々全国1位となった。2020年12月に科学捜査特別採用で警察に入職してからわずか3年10カ月で成し遂げた成果だった。 血痕形態分析のために、献血のように血を採ることを楽しんでいるという。 ヤン・ヘミン巡査は中学校時代、偶然に家庭教師から科学捜査本を見せられて警察という職業に関心を持ち、法科学大学院に進学し、科学捜査警察官として活動することになった。 ヤン巡査が今大会に出場することになったのは、単に賞を取りたいという欲望のためではなかった。科学捜査で指紋や遺伝子採取だけでなく、影の分析などで真実を明らかにしたいという気持ちが大きかった。 一生懸命に準備したおかげで全国60人余りの科学捜査警察官の中で最終の5人に残り、結局、1位となった。 ヤン巡査が発表した事件は、昨年初めに全羅北道で発生した未解決事件だ。被害者は死亡し、容疑者とされた男性がいた。しかし、明確な証拠はなかった。現場に残された証拠は、被害者の住居地周辺に駐車した車両のドライブレコーダー映像の中の影だけだった。 周辺に防犯カメラもなく、目撃者もいなかった。私設機関でブラックボックス(カメラと録画装置が内蔵された衝撃感知装置)の映像に対する影の分析も進められたが、行き詰まった。 「検察による補完捜査が進められた。同じ時期にこの事件を引き受けた警察署からも依頼が入ってきた。これに対し、事件当日と気象データと天文・航空データが似た日を選定し、実際にブラックボックスに収められた影が見えるか再現した。現場で計測した内容を検察に送り『容疑者に罪がない』という結果が出た。無実の罪で犯人に仕立て上げられかねない状況を科学捜査で防いだ事件である。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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