介護も人や情報が頼りになる 他人事じゃない「高齢の親を虐待」しないための方法――「困ったときに吐き出せる場所があるか」がカギ
残念ながら、介護にビジネス的な“成果”を求めようとしても、難しいのが現実です。自分たちができること、できないことに折り合いを付け、負担がかかり過ぎないよう、介護保険制度や周囲を頼ってバランスを保ちながら、日々の生活を回すことが必要なのです。 ■介護で追い詰められないためには 介護で追い詰められないためには、困ったときに吐き出せる場所があるかどうかも大事なポイントです。 例えば、認知症の人と家族、地域住民が気軽に集うことのできる「認知症カフェ」のような場や、共通の困りごとを共有しあえる患者会や家族会などの場を活用するのも手。
趣味やボランティア、町内会などの地域活動などを通じ、周囲とのつながりを保とうとする姿勢も大切です。現在は、趣味や運動などを通じて高齢者同士が交流するための場作りも、行政主導で広がっています。 どんな取り組みがあるのか知りたい場合、まずは最寄りの地域包括支援センターを訪ねてみるといいでしょう。 かかりつけの医療機関がない場合や、いざ介護が必要になったときに適切な介護につながるための第一歩となるのも、地域包括支援センターです。
すでにかかりつけの医療機関がある場合には、主治医を通じて病院にある地域医療連携室、医療福祉相談室などに相談してみてください。大切なのは、自分だけ、家族だけで抱え込むのではなく、相談に乗ってくれる場所があるのを知ることです。 日々の生活を過ごすうえで何らかの困りごとがあるときには、介護保険サービスによって、日常生活のさまざまな支援を受けることができます。 介護保険サービスには、自宅に訪問する訪問介護や訪問リハビリや、施設に日帰りで通うデイサービスやデイケアなどの通所型の介護サービスなど、さまざまな種類があります。
これらのサービスの中から、本人や家族と相談しながら、本人の状態に合わせて必要なサービスを調整するのがケアマネジャー(以下、ケアマネ)です。在宅ケアが始まるときには、それぞれの状況に合わせ、どのサービスを利用すればよいか、ケアマネと相談して決めていくことになります。 ケアマネを選ぶための相談窓口も、先述の地域包括支援センターです。ただ、同センターはあくまで窓口であって、ケアマネ(あるいは所属する事業所)を選んでくれるわけではありません。基本的には、介護保険サービスの事業者が一覧で掲載されている冊子やウェブサイトなどの情報を参考に、それぞれが選ぶという手順になります。