16mmフィルムで10年をかけて子供たちを撮影するプロジェクトから生まれたオムニバス作品 映画『満⽉、世界』
初⻑編映画『空(カラ)の味』で第10回⽥辺・弁慶映画祭で弁慶グランプリ・⼥優賞・市⺠賞・映検審査員賞と史上初の4冠に輝いた塚田万理奈監督の最新作『満月、世界』が公開される。この度、本作の特報映像、ティザービジュアル公開された。 本作は、2020年から監督が出⾝地・⻑野市で地元の⼦ども達と制作を続けている、16mmフィルムで10年をかけて撮影するプロジェクト、「刻」(とき)プロジェクトから生まれたオムニバス作品。 いつも通り過ぎていく日常の中で、小説を書いたり音楽に没頭しながら、自分の居場所を探す中学生の物語、満月主演の『満月』と、吃⾳のある中学⽣と、夢をあきらめつつあるミュージシャンの日々が交差していく、涌井秋主演の『世界』。 塚田監督はキャスティングについて「満⽉も、『世界』のあきちゃんも「刻」のワークショップで出会いました」と語る。 『満月』主演の満⽉については「⾃分の好きなものに対して、周囲に理解されなくてもいい、というような強い⾃信と、強い気持ちで好きなものと向き合う姿勢を感じました。けれどそれは、どこか世界に絶望して居るからの孤独さでもあると思いました。けれど若い彼⼥は、膨⼤な未来を持っている。その可能性を不安にも思っている。彼⼥含め、⼦どもたちの存在は、世界の可能性と希望だと真剣に思いました。彼⼥を、この光を残しておかねば、と思い」監督から、撮影させてほしいと声をかけたという。 さらに塚田監督は『世界』主演の涌井秋について「ある⽇あきちゃんが、作⽂を書いたから読んでほしい、と連絡をくれました。あきちゃん⾃⾝について書いた作⽂でした。そこには周囲に理解してほしい悔しさや、今まで⽣きてきた必死さが書かれていました。この声を残したい、と思い」撮らせてほしい、と頼んだことも明かした。「話せなくて、救われない、救わないあきちゃんも、話したこともない⼈も、気持ちがあって、世界がある。それらがあって欲しい、そんな作品が撮りたい」と語る。 映画『満月、世界』は、2024年8月16日(金)より長野ロキシーにて先行上映。2024年9月21日(土)より全国順次公開。
otocoto編集部