優勝に王手をかける今秋６勝目を挙げた早大の伊藤樹投手

◇21日　東京六大学野球秋季リーグ戦　早大2―0明大（神宮） 　早大が明大との首位攻防を制し、勝ち点4として春秋連覇に王手をかけた。1回戦勝利から中1日のエース伊藤樹投手（3年・仙台育英）が8イニングを無失点で連勝。ドラフト候補の山縣秀内野手（4年・早大学院）が決勝の先制打を放った。明大は、広島がドラフト1位入札を公表している宗山塁内野手（4年・広陵）が2安打したがホームが遠く、自力優勝がなくなった。法大の優勝の可能性もなくなり、明大が次々週の法大戦で負けるか、早大が最終週に慶大に勝てば、早大の優勝が決まる。 　3年生エースが優勝争う最大のライバルを突き放した。早大は、伊藤樹が1回戦と合わせて16イニングを1失点で連勝。「中1日で難しい試合になると思った。集中して投げられた結果と思う」。捕手の印出主将との息も合い、7安打されながらも持ち前の制球力で要所を丁寧に抑えた。 　3回2死三塁で、山縣が三遊間をゴロで抜く先制打。「タツキ（伊藤）を楽にさせてあげたかった」。4回にも1点を追加してもらった伊藤樹は、6回と8回に先頭の宗山にヒットを打たれたものの、140キロ台中盤の直球と変化球で狙いをしぼらせなかった。これでリーグトップ独走の6勝目で、防御率1・19も1位に躍り出た。小宮山悟監督は「（エース番号の）11番が似合ってきた」とたたえた。 　春秋連覇はもちろん「春を越える」のがチームの目標。春は勝ち点5の完全優勝ながら、立大と明大に1敗ずつした。今秋は立大に1敗しただけに、明大には連勝したかった。小宮山監督は「選手もそういう気持ちでやっていた。きのう（引き分けて）負けなかったのが大きい」と強調。慶大戦連勝での優勝を見すえた。