“日本人アマ史上初”から10年 永井花奈はナショナルオープンで復活なるか
◇国内女子メジャー◇日本女子オープンゴルフ選手権 初日(26日)◇大利根CC 西コース(茨城)◇6845yd(パー72)◇晴れ(観衆4640人) 【画像】昨年覇者 滋賀県の琵琶湖CCで行われた2014年「日本女子オープン」。当時アマチュアの永井花奈がマークした単独3位フィニッシュは、国内メジャーの日本人アマとして史上初の快挙だった。2年後には畑岡奈紗がアマで頂点に輝いたが、鮮明な記憶を刻んだナショナルオープンの舞台。初日を4バーディ、1ボギーの「69」。3アンダー4位で滑り出した。 大会史上最長の総距離6845yd(パー72)のセッティング。パー5の3打目のウェッジを除けば、飛距離で勝負するタイプではない永井がアイアンを持ってグリーンを狙えたのは「3回くらいかな」。ひたすらウッド系を持たされることは織り込み済みだった。「欲は出ないかも。バーディを獲らなきゃというのはなかった。ウッドを持つことが多いので、(グリーンに)乗っけて2パットを繰り返した感じが良かったのかな」 後半7番、421ydのパー4はボギーも覚悟するホールだったが、5Wのセカンドでピンそば4mにつけるバーディを奪った。無欲を貫いた先のご褒美に「イーグルを獲ったくらいうれしい。2打くらい得した気がします」とほほ笑んだ。
年間レースのメルセデスランキング88位と苦戦が続くシーズン。「練習でも悲惨だった」と苦笑するスタートから、その後は練習場で良くてもコースに出ると…という日々。ラインも合わないパッティングの悩みも深かった。上向くきっかけをもらったのは、3週ほど前のこと。別の選手の帯同キャディを務めていたかつてのコーチに自分のプレーを見た率直な感想を聞いてみたという。 指摘されたのはルーティンのこと。「打つまでが悪い、と」。特にグリーン上では、入らなくなればなるほど構えてから打つまでが長くなっていたと気づかされた。リズムよくプレーすることで研ぎ澄まされていくのは、ショットにも通ずる部分。「同じルーティンにすることだけ考えて、あまり悪い意識が入らないように頑張れれば。まだ、あんまり自信はないですけど…」。苦しんできた時間が長い分だけ、まだまだ口ぶりも控えめ。淡々と一打を紡いだ先にトンネルの出口があると信じてやり切る。(茨城県坂東市/亀山泰宏)