【金鯱賞回顧】連覇プログノーシスが見せた「5馬身差」の貫禄 中距離で苦戦の4歳牡馬、ドゥレッツァは伸びしろに期待
4歳牡馬の立ち位置
連覇を狙う6歳プログノーシスと4歳ドゥレッツァの対決は世代間の力関係を計る、とりわけ4歳牡馬がどこまで通用するか見極める一戦だったといえる。 【金鯱賞2024 推奨馬】勝率75%で複勝率100%データに該当! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) プログノーシスは昨年、金鯱賞を勝ってGⅠでは2、3、5着。札幌記念Vと中距離路線のトップ戦線を戦い抜いた。特に天皇賞(秋)では1.55.8で3着。イクイノックスに懸命に食い下がった。かたや4歳代表ドゥレッツァは同世代のタスティエーラ、ソールオリエンスが古馬に勝てないなか、一矢報いて、世代を代表する存在として抜け出せるか。プログノーシス相手に結果を残せるかどうか。しっかり見定めないといけなかった。 というのも、4歳牡馬は年始から3月3日までに重賞で3勝を挙げるも、マイル以下の距離ばかり。芝1800m以上の重賞では日経新春杯の2、3着サヴォーナとサトノグランツ、京都記念はベラジオオペラが2着と勝利がない。 参考までにドウデュース、イクイノックスと同じ昨年の4歳勢は、同期間で芝1800m以上の重賞を3勝していた。世界ナンバー1がいた世代と比較するのはちょっとかわいそうな気もするが、ドゥレッツァが敗れれば、連敗がまだまだ伸びそうな予感が漂う。結果はプログノーシスの完勝。2着ドゥレッツァは5馬身差つけられてしまった。久々の2000m戦出走という事実はハンデといえばそうだが、5馬身では実力差を感じざるを得ない。
パーフェクトだったプログノーシス
圧倒して連覇を達成したプログノーシスは若い頃の気難しさや体質の弱さを抱えていたが、6歳となってむしろ強くなったようだ。 今年はじめて競馬が開催された中京芝は状態がよく、当然インを回る馬が優位に立てる。逃げ馬不在のこの一戦、前残りで一発を狙う馬たちが複数あらわれ、先行争いは予想外に激しくなった。スローが予想されるときは速くなり、ハイペース想定では遅くなる。競馬の展開は逆に出る。 川田将雅騎手は先行勢の動きを察知し、無理な手に出ない。この落ち着き払った騎乗こそ、日本を代表する騎手の証。折り合いに集中し、インで勝負のときを待つ。前半1000mは58.4と遅くなく、先行勢は力がないと残れない。中京芝2000mは前半1000mが上り区間、そこから残り400mまで下りが続く。58.4では展開を味方につけられない。 プログノーシスは下りに転じた残り800mからじわりと進出開始。4コーナーはインの5番手とベストポジションにいた。いつでもスパートできる態勢をつくり、状況に応じて仕掛ける。人馬ともに円熟味ある競馬だった。終始インを通って上がり最速34.3。ワンサイドも納得の記録だった。 さあ、残るはGⅠタイトルだ。今季の最大目標は昨年2着に敗れた香港だろう。シャティンの2000mは枠順など不安定な要素も多い。しかし、今回のように立ち回れるなら、チャンスはある。未来を考えれば、GⅠタイトルは何としても奪取してほしい。