広島のベーグル人気先駆け、あの専門店が再スタート 呉市安浦町、県内外からファン
約20年前に広島市でベーグル店の先駆けとして人気を集めた専門店が、広島県呉市安浦町で再スタートした。店主の寺岡智也さん(60)と真由美さん(60)夫妻が沖縄での生活を経て、寺岡さんの母親の出身地に店を構えた。地元だけでなく県外からもファンが訪れている。 【地図】広島のベーグル人気先駆け「ビレッジベーグル」 安浦町三津口の住宅地に昨秋オープンした「ビレッジベーグル」。季節の花が咲く庭と手作りの青い柵が目印だ。国産小麦を使ったベーグルはチョコレートや抹茶など約20種。もちもちと弾力があり、自家製の酵母が優しいうまみを引き出す。 同市出身の寺岡さんは調理師専門学校を卒業後に渡米。働いていたニューヨークのレストランで知り合った真由美さんと帰国後に結婚した。現地のベーグルの味が忘れられず独学で研究を重ね、2002年に広島市西区に出店。「行列が絶えず、ベーグル人気の火付け役的な存在だった」と、広島のグルメに詳しいタウン情報誌「TJ Hiroshima」編集部の山根尚子さんは振り返る。 5年間営業した後、自然の中で子育てしたいと真由美さんの両親の実家がある沖縄県に移住し、カフェを開いた。ベーグルが評判で、かつての常連客や広島東洋カープのキャンプ観戦に来た人も訪れたという。 2人が還暦を迎えたのを機に、老後の定住先として安浦町を選んだ。海が近く温暖な気候にひかれた。空き家を住居として買い取り、庭に小さな工房を構えた。 「無理せず長く続けるのが目標。地元に溶け込み、住民に愛される店にしたい」と2人は願う。木~日曜の午前11時半から売り切れるまで営業している。
中国新聞社