スーパーに並ぶ「北海道産 親ガニ」に注意を ズワイガニ雌とは違うオオズワイガニ雌 見分け方は口の形や体の色 鳥取県内で流通
鳥取県特産ズワイガニのシーズンを迎え、同県が「北海道産親ガニ」に注意するよう呼びかけている。鳥取で「親ガニ」と呼ぶズワイガニの雌と違い、オオズワイガニの雌だが、スーパーなどで「親ガニ」と表示して売られているため。しかも店頭には3分の1程度の安値で並んでおり、関係者は影響を懸念。県などは地元販売業者に「北海道産オオズワイガニ」と適切な表示を求めている。 【蟹取県】カニの数え方は1匹?1杯?いいえ違います…水揚げ量日本一、鳥取県での珍しい数え方とは
県水産振興課によると、オオズワイガニは近年、北海道南西部の内浦湾で大量発生し漁網を破るため駆除目的で漁獲される。北海道はカニの雌を食べる文化がないため、山陰や北陸に流れ、昨年夏ごろから出回るようになった。 石川では「香箱ガニ」、福井では「セコガニ」と、それぞれの地域でズワイガニ雌を表すのと同名で店頭に並ぶ。駆除目的で取るため品質管理が劣り、親ガニの美味とされる内子(卵巣)や外子(卵)がないものもあるという。 「親ガニのみそ汁」は鳥取の郷土料理で冬のごちそう。ズワイガニ雌は10年ほど前は1匹300円程度だったが、資源減少で600~700円程度に上がり、食卓から遠のいた。一方、オオズワイガニ雌は200円程度で売られ、ズワイガニ雌の売れ行きに影響する恐れもあり、地元漁業者が不安がっているという。 県は、ズワイガニ雌は薄い茶色で口の形は真っすぐなのに対し、オオズワイガニ雌は濃い茶色で口はM字形だと、見分け方を紹介して県民に注意喚起。県水産振興課の浜橋正彰係長は「オオズワイガニがいけないわけではなく、誤解を招く表示がまずい。違いを知った上で楽しんでほしい」と話す。