シリア政府軍、反体制派に対し激しい空爆 北西部イドリブ
シリアのアサド政権は1日、ロシア軍とともに北西部イドリブで反体制派に対して激しい空爆を実施した。ロイター通信が報じた。反体制派は北部の主要都市アレッポの大部分を制圧するなど大規模な攻勢に出ているが、政権側が反撃を強めた形だ。 報道によると、イドリブでは中心部の住宅地が空爆され、少なくとも7人が死亡し、数十人が負傷した。反体制派は国際テロ組織アルカイダ系の過激派組織「ヌスラ戦線」を前身とする「ハヤト・タハリール・シャム」(HTS)が主導しており、アレッポでは国際空港や中心部などを掌握したとされる。中部ハマに向けても進攻したが、ハマ北部で政府軍が押し返したという。 シリアのアサド大統領は1日、「テロリストに立ち向かい、安定と領土一体性を守る」と語った。在英民間団体「シリア人権観測所」によると、反体制派が攻勢を強めた11月27日以降、これまでに370人以上が死亡している。政府軍はアレッポ奪還に向け準備を進めているとされ、市街地で大規模な戦闘が起きれば、多くの民間人が犠牲になる恐れもある。【カイロ金子淳】