男子ケイリンでゴールする山崎賢人（ＡＰ）

◆自転車　 世界選手権・トラック種目 　第２日（１７日、デンマーク・コペンハーゲン郊外） 　男子ケイリンで山崎賢人（３１）＝日本競輪選手会＝が優勝した。日本発祥のこの種目で日本勢が勝つのは、オープン化前では１９８７年の本田晴美以来３７年ぶり。プロとアマが一緒に走るようになった９３年のオープン化以降では初めて。非五輪種目の男子スクラッチは窪木一茂（ブリヂストン）が日本人初の頂点に立った。 　アフロヘアがトレードマークの山崎が何度もガッツポーズを繰り出した。「まだ優勝した実感がないが、形としてしっかり残せたのはうれしい」。日本発祥のケイリンで３７年ぶり２人目の世界王者となり、喜びをかみしめた。 　パリ五輪落選のどん底からはい上がった。リザーブだったが帯同はせず、静岡・伊豆で若手とペダルをこぎ続けた。この日の決勝では昨年王者のコロンビア選手の後ろにつけて差し切って頂点に。努力が実を結んだ。 　アフロヘアは海外メディアから「ベスト・ヘアスタル・オブ・世界選手権」に選ばれた。走る前に知った山崎は「メダルを、もうもらった」と声を弾ませたという。ケイリンと“２冠”達成で注目度は高まった。 　リオ五輪後、ヘッドコーチに就任したブノワ・ベトゥ氏（現テクニカルディレクター）が当時、日本競輪学校（現養成所）の生徒だった山崎を見て「いい走りをしている」と絶賛した。その素質が今、ついに開いた。 　◆山崎　賢人（やまさき・けんと）１９９２年１２月１７日、長崎県諫早市生まれ。３１歳。日大卒業後に日本競輪学校（現日本競輪選手養成所）第１１１期生として入学。２０１７年デビュー。３６９走１３０勝。通算獲得賞金は１億６５２５万７６７４円。１７５センチ、７７キロ。血液型Ａ