「分析手法オタクのデータサイエンティスト」の提案が、悲劇的な施策となる当然のワケ
● 現場のリアルな課題を知らなければ データ活用はおぼつかない データ活用において最も大切なこと、それは「課題設定」です。 どんな課題を解決したいのか? そのためにどんなデータが必要なのか? データを集めて何をしたいのか? まず課題設定が明確でなければ、データを活用して有効な打ち手に辿り着くことはできません。 データ活用は課題設定が最重要。こう言い切っても決して大げさではありません。 では、データ活用のための課題は、どのように設定すればよいのでしょうか。基本は現場のヒアリングです。 いま、現場はどんな悩みを抱え、何を解決したいのか。データ活用を行いたい場合は、まずこうした現場の状況をできる限りヒアリングしていきましょう。 既存商品のリピート客を増やしたいのか? 新規顧客を獲得したいのか? 新商品開発やリニューアルの方向性を探っているのか? 目指したい場所はどこで、目の前にはどんな壁があるのかを、まずはヒアリングによって探り出すのです。そこからデータ分析をする目的を確かめ合った上で、ひとまずの課題=ゴールを設定します。 データサイエンスは、問題解決の施策や経営における意思決定に活かせるようになって初めて価値が生まれます。現場とコミュニケーションを重ねることによって、得られる知見が必要です。 データ分析のための適切な課題設定ができるのは、データサイエンティストだけとは限りません。 データサイエンティストは言うまでもなくデータ分析の専門人材です。データ分析はあらゆる業界・領域に応用が効くスキルですが、だからといってデータサイエンティストがすべての業界の動向や常識を熟知しているわけではないからです。 データ活用の経験はなくともビジネスをよく知っている現場と、データ分析手法を常にアップデートしているデータサイエンティスト。両者が連携して初めて正しく適切な課題設定ができます。 データ分析やリサーチの目的は課題の解決であるはずです。その点をまずは十分に理解しておきましょう。