両地域交通を乗り継ぎ 三重・多気町と明和町、けさ出発式 金剛坂を中継点に
利便性向上へ実証運行
三重県多気郡多気町のエリア乗り合いタクシー「でん多」と、明和町のデマンド型乗り合い送迎サービス「チョイソコめいひめ」を乗り継いで利用できる事前予約型の乗り合い交通サービス(AIデマンド)の実証運行が始まり、その出発式が25日午前8時半から、明和町金剛坂のDCモール金剛坂で行われた。来年1月18日までの予定で、65歳以上の高齢者や障害者が気軽に両町を往来できる。 この事業は、国土交通省の本年度「地域公共交通共創・Maas実証プロジェクト」の「共創モデル実証運行事業」で採択されたデマンド交通広域連携プロジェクト。 多気町は2013(平成25)年に交通弱者対策の一つとして三重近鉄タクシーと連携したエリア乗り合いタクシー「でん多」を運用し、明和町は1年間の実証運行を経て昨年10月から、デマンド型乗り合い送迎サービス「チョイソコめいひめ」を本格運用している。 両町の町民の生活圏が重なることから、町境をまたいで運行できるようにすることで自動車免許を返納した高齢者の外出のサポートなど利便性の向上を図る。 「チョイソコめいひめ」は三重トヨタ自動車などと連携してAIを活用、利用者が行き先を予約すると、AIが経路を自動で検索し、それを元に運転手が目的地まで運行するシステムになっており、「でん多」もこのシステムで運用する。 実証運行では、同モール内の美容室「デューポイントDCモール金剛坂店」前を中継点に両車を乗り継ぎ、それぞれの町を往来する。65歳以上の高齢者や運転免許返納者、障害者手帳を持っている人が対象で、月~土曜(祝日、年末年始を除く)の午前8時半~午後5時に運行する。料金は1人1回1地域300円で、多気地域~明和町は600円、勢和地域~多気地域経由~明和町は900円となる。乗車希望時間帯の1時間前まで予約可能。利用には事前登録が必要。 この日の出発式で多気町の久保行央町長は「これまで隣町に行くのに交通手段が絞られていた。本格運行につなげられるようにしていければ」、明和町の下村由美子町長は「住民の皆さんの活動の場が広がり、暮らしが便利になって楽しんでもらえれば」とそれぞれあいさつした。 予約は、でん多広域サービス専用ダイヤルTEL070(8700)1321へ。