仙台育英“じつはドン底だった”今の世代…主将の胸中「イライラすることが多く」甲子園で優勝、準優勝…最強メンバー“1つ下”の苦悩
想像してみてほしい。 2学年上の先輩は全国制覇。しかも、東北勢として初めて甲子園で優勝するという、重い扉をこじ開けての偉業達成である。 【実際の画像】仙台育英これが193cmの怪物「え、エグい…比較すると佐々木朗希ソックリ」山口廉王の衝撃ピッチング集…「えっ?仙台育英のユニフォーム“黒色でカッコいい”」現地の様子を一気に見る(10枚超) 1学年上の先輩は、全国準優勝。甲子園決勝で慶應義塾の勢いの前に敗れたものの、浦和学院や履正社といった激戦区の名門を倒しての2年連続決勝進出だった。 そして今年。周囲は「今年の仙台育英はどこまで勝ち進むのか?」という目で見てくる。ライバルたちは「仙台育英に一泡吹かせてやる」と野心をむき出しにして向かってくる。選手からすれば、やりにくいことこのうえないスタートだったに違いない。 2024年、仙台育英に光はあるのか――。そう思わざるを得ない状況だった。
主将の告白「イライラすることが多く…」
昨夏から新チームの主将についた湯浅桜翼(おうすけ)は、もがき続けていた。「ただでさえ時間が短いのに、目的意識が見えない部員も多くてイライラすることが多くなりました」 湯浅は身長168センチの小兵ながら、昨夏の甲子園でも3番打者を任されたポイントゲッターである。のちに侍ジャパンU-18代表候補に選出されたように能力は高いものの、本来は感覚肌でリーダーとしてチームをまとめるタイプではなかった。湯浅は偉大な先輩と比べ、取り組みに甘さが見える仲間たちとのギャップを埋められずにいた。 ミーティング中に湯浅が厳しく指摘しても、部員たちに響いている様子が見られない。焦りが募るあまり、湯浅は「自分でも何を言っているのかわからない」と悪循環にも陥った。人間が人間を動かすことの難しさを痛感した。 昨夏の甲子園で2年生ながら高校球界屈指の守備力を評価されて先発出場した登藤(とどう)海優史(みゅうじ)は、湯浅の苦悩を感じ取っていた。「桜翼は自分のなかで抱え込むタイプなんです。周りの評価を気にしてしまうところもあって、人に対してあまり物を言えずに苦しかっただろうと思います」
センバツ出場は消えて…長い冬
甲子園決勝から1カ月足らずの9月20日、宮城大会準々決勝で東陵に1対2で敗れ、仙台育英の短い秋が終わった。戦った公式戦はわずか5試合。当然、春のセンバツ出場は露と消えた。 長い冬の時期を過ごし、雪解けの季節を迎えても受難は続いた。須江航監督が「絶対的なエースになれる」と期待していた右投手の佐々木広太郎が、3月末に死球を右手中指に受けて骨折。離脱を余儀なくされたのだ。 佐々木は悔しそうな表情で打ち明ける。 「3年間で一番いい状態で、ピッチャーとして総合的にレベルアップできている実感がありました。球速(最速145キロ)もこれから上がっていくんだろうな……と思っていた矢先のケガだったので、悔しかったですね」 だが、落ちるところまで落ちてしまえば、あとは上がるしかない。
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