3歳までに吃音(きつおん)を示す子10人に1人 過去の研究よりも多い実態が明らかに
話す時に、音を繰り返したり、引きのばしたりといった発話の障害である吃音(きつおん)は、幼児期に発症することが知られていますが、3歳までに吃音の症状が出た子どもは約10人に1人と、これまで言われてきた約20人に1人よりも多くいることがわかりました。 吃音のある子どものための支援サービスの充実を求める声が大きくなる中、どのくらいの割合で吃音が生じるのかを把握するため、国立障害者リハビリテーションセンター研究所などのチームは、幼児健診の機会を利用して、約2000人の3歳児を調べました。 その結果、調査した時点で、吃音の症状がある子どもは6.5%だったということです。また、それまでに吃音の症状が出たことがある子どもと、現在症状がある子どもを合わせると全体の8.9%、約10人に1人にのぼりました。過去の日本の研究で示された割合(5%前後)と比べるとかなり高く、海外での割合に近いということです。 研究チームによりますと、幼児期の吃音の8割程度は数年で自然になくなることも過去の研究で明らかになっているものの、どの子どもが自然に治るのかは予測できないため、心配する保護者が多い現状があるということです。 研究チームは、「これらの子どもや保護者に対応する言語聴覚士、保健師などの専門家や、吃音に対応できる施設は圧倒的に不足しており、これらの充実が望まれる」と指摘しています。