「数学ができる子」「できない子」見抜く魔法の質問 できる子にはこの「見えない数字」が見えている
直感でどちらを選ぶかと言われたら、おそらくAの塾ですよね。だって、300人と100人だったら、300人の合格者のほうが「すごそう」です。 でもこの問題、答えは「わからない」です。なぜなら、評価するための数字が1つ欠けているからです。 たとえば、こんなクイズだったら、みなさんはどっちを選びますか? 同じくらいの値段の、ある資格試験のための塾に、A塾とB塾がある。 A塾の年間の入塾者は3000人で、合格者数が300人である。
B塾の年間の入塾者は100人で、合格者数は100人である。 さて、みなさんならどちらの塾のほうがいい塾だと思いますか? こう聞かれたら、みなさんはBの塾と答えると思います。 3000人の中で300人が合格するA塾に対して、B塾はなんと全員が合格しています。 先ほどの話も踏まえて考えると、裏側には「合格率」という数字が存在するのです。 「入塾者」×「合格率」=「合格者」 ですよね。もっと言えば、 「合格率」=「合格者」÷「入塾者」
です。 A塾の合格率は「300人÷3000人=10%」ですね。それに対してB塾の合格率は「100人÷100人=100%」です。B塾はみんな合格していて、A塾は10人に1人しか受からないのです。 合格者数という、「見えている数字」で比較しているうちは、その本質が見えてきません。それは一部分だけを見ているのと同じだからです。見えていない数字を意識できるようにならないといけないのです。 ■「全体を見る」ことで数字のセンスが高まる
この思考ができるかどうかは、ダイレクトに数学の成績に直結します。 例えば数学でよく出てくる問題として、「コインを3回投げる。このとき、少なくとも1回は表が出る確率は?」というものがあります。 この問題、コインは1/2の確率で表か裏が出るわけですので、「じゃあ、3回中1回表が出る場合と、3回中2回表が出る場合と、3回中3回表が出る場合の、3パターンを考えて、足せば答えが出るよね」と考える人がいますが、これは面倒くさいです。3回も計算しなければならないからですね。