東大生はなぜミステリー小説を書く? 在学中の作家「授業から着想を得ることも…」
なぜ東大生が作家になるのか
『東大に名探偵はいない』を企画したKADOKAWAの編集者、吉田真理さんは、自身も東大法学部出身で、辻堂ゆめさん、結城真一郎さんとは大学の同級生です。 「東大出身の作家が増えてきた印象があって、辻堂さんや結城さんと楽しいものをつくろうと企画しました。そこで現役生の作品もあったら面白いと思ってコンテストを開催したのですが、プロの作品と並べて刊行できるレベルのものが届くのか、正直不安もあったんです。ふたを開けてみたら浅野さんというすごい才能と出会えて、ラッキーでしたね」(吉田さん) なぜ東大出身の作家が増えているのか。吉田さんは次のように言います。 「今はいろいろな発信手段があり、作家さんも兼業が当たり前で、他の仕事をしながら小説を書いたり、文学賞に応募したりすることへのハードルが下がっているように感じます。さらに受験と戦ってきた経験や、大学で習得した専門知識なども作品の魅力的な要素とできるのではないでしょうか。浅野さんも法律を学んだ経験が、今後も作家として活動していくうえでの強みになると思います」 東大出身というだけで注目を集めがちですが、学問を究め、様々な経験を積み、それを作品に落とし込む力に読者は魅力を感じるのかもしれません。
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