Netflix『ボーイフレンド』アランの印象に残っているシーンは? 人と向き合う上で気をつけていること
Netflixで大人気の『ボーイフレンド』のボーイズがマキアオンラインに登場! 彼らの持つ色とりどりの「美しさ」から、気になる美容まで根掘り葉掘り取材したスペシャルインタビューをお届けします。今回のゲストは、ブラジル出身でIT企業に勤務しているアランさん。番組内ではムードメイカーとしてボーイズを温かく包み込んでいた彼の、オープンマインドな人柄にクローズアップ。 【写真】Netflix『ボーイフレンド』出演者たち
“優しさ”という軸さえあれば、どんな時でも自分らしくいられる
『ボーイフレンド』でのアランさんといえば、恋する相手に真っ直ぐに向き合う一方、周りのメンバーたちを気遣い、愛情溢れる言葉をかけ続けていた姿が印象的。取り巻く世界をLOVEで満たすハートウォーミングな人柄は、どのように育まれてきたのでしょうか。 ――合流した当初からボーイズと打ち解けていましたが、昔からオープンな性格だったのですか? 「自分の殻に閉じこもりたくなった時期もありますよ。でも実はその時期こそが僕にとっては重要で、オープンでいられる強さを得るきっかけになった気がします。というのも、殻に閉じこもっている時って、感情が強くなりすぎているんですよね。そういった痛みとかダークサイドを許してあげられるようになると、いつしか自分に優しくできるようになるんですよ。もちろんすぐにできるようになったわけじゃなくて、時間を重ねる中で僕自身が僕の一番の友達でいられるようになった……という感じ。今振り返ると、あの頃の経験はギフトだったと思っています」 ――アランさんにそういった時期があったのは意外でした。 「僕がそう考えるようになったのは、妹の存在があったから。自分一人だったら、こういうマインドには絶対なれなかった。うちは複雑な家庭だったので、“妹のために強くいなきゃ”という気持ちが常にあったんですよね。そんな中、自分に優しくできるようになったことで、“今の僕には全部を背負うことはできない。だから人に頼ってもいいんだ”と認めることができた。小さい頃から兄妹だけじゃさすがに乗り切れないっていうシチュエーションがすごく多かったので、“できない自分”を認められずにいたら、妹のことも結局守れなかったはず。心を開いて誰かに頼ることができるようになったのは、自分よりも大事な存在がいたからだと思います」 ――番組中にボーイズがストレートに意見をぶつけ合うシーンもありましたが、アランさん自身が印象に残っているやりとりはありますか? 「放送ではカットされていますが、テホンと話した内容は自分の中で一生大事にしたいと思ってますね。彼がカミングアウトについて話した時に、“アランと話したい”と言って時間を作ってくれたんです。詳細は言いませんが、必ずしもしなきゃいけないわけではないカミングアウトをなぜしたいと思うのか、という内容についてすごく意味のあるキャッチボールができて。メンバーそれぞれ状況が異なるから全員では話せなかったけれど、テホンとはお互いの価値観をぶつけ合って深い話ができた。心を開くのは怖いけれど、やっぱりすごく大事なことだなって思えた瞬間でしたね」 ――全員が同時に心を開けるわけではないけれど、だからこそタイミングがあって分かり合える瞬間は奇跡的な出来事なのかもしれないですね。 「自分の気持ちを内側におさめていてもいいんです。“心を開きなよ”って無理やり迫るのは、相手をジャッジすることになっちゃう。人との向き合い方に、正しいとか間違っているとかはないんじゃないかな」 ――聞き上手な印象のアランさんが、人と向き合う上で気をつけていることはありますか? 「“あなたの話を聞きたい”とか、“ちゃんと届いているよ”という思いを伝える努力はしてますね。自分の気持ちをアウトプットするのって、重い話じゃなくても結構勇気がいると思うんです。だから、話してくれる行為を大事にしたい。自分がちゃんと聞いてもらえず悲しかった経験があるからこそ、相手の目を見ることだとか、聞く姿勢、声のトーン、自分の意見を話し出すタイミング……そういうところはすごく大事にしています」 ――相手の意見を否定しなさそうなイメージもあります。 「否定はしないかな。意地悪なことを言われたらこちらも真っ向から挑むけれど、そうじゃなければ“聞きたい、聞かせて!”というスタンス。あとは、意見を言う時は許可を得るようにしているかも。例えば、そこまで親しくはないけれど相手に届けたい言葉があるとしますよね。それを伝えたい時は『めちゃくちゃ伝えたいことがあるんだけど、話してもいい?』って聞きます。どんなに自分が伝えたいことでも、相手がそれを受け入れられる状態じゃなかったら意味がないし、間違って悪く捉えられちゃうことだけは避けたい。きっとそれって、いかに相手に対して優しさを持てるかってことになってくる気がします」 ――番組内でダイさんと揉めて落ち込んでいたイクオさんに対して、「優しさからやったことならいいんだよ」とアランさんがお話しされていたのが心に残っています。 「なんかウルッてきちゃう。僕が大事にしていることって、結局は“優しさ”しかないんですよね。そこからいろんな実が生まれているけれど、根っこにあるのは“優しさ”。でもってそれは、僕が生きる手段でもあって。抱えているものが多くなると、たとえそれがいいものだったとしても、一歩一歩が重くなっちゃう。だから僕は、自分が歩んできた過去に全部置いてくることにしたんです。『ありがとう』と思い出に残して全てを手放した時、その先に続く道に唯一持っていきたいものが“優しさ”だった。自分にも周りにも環境にも、その軸を持って繋がっていたらアランでいられると思っています」 ●IT企業会社員 アラン 1994年生まれ。ブラジル、イタリア、日本をルーツに持ち、幼少時から日本で育つ。公式インスタグラムはフォロワー数が23万人超え。 撮影/神戸健太郎 ヘア&メイク/後藤若菜〈ROI〉 スタイリスト/井田正明 取材・文/真島絵麻里