「訂正が8カ所とは驚いた」 悠仁さまのトンボ論文のミスが発覚… 「筆頭著者だけでなく、共著者も含めた全員の責任」
受験対策は盤石
“昆虫学者のオリンピック”と称される大舞台で、堂々の学会デビューを果たされた悠仁さま。これに先立ち昨秋には、幼少期からの「トンボ愛」の集大成ともいえる25ページにわたる論文を、清・飯島両氏とともに発表されていた。 あらためておさらいしておくと、 「悠仁さまは2012年から10年にわたり、お住まいのある赤坂御用地内のトンボをつぶさに観察なさってきました。22年春に悠仁さまと面会した清氏はその知識量に驚愕(きょうがく)し、論文にまとめることを勧めたといいます。そして稲の専門家で、宮邸では悠仁さまの“家庭教師”でもある飯島氏も加わり、『赤坂御用地のトンボ相─多様な環境と人の手による維持管理─』という論文を執筆。昨年11月22日には科博の刊行する『研究報告A類(動物学)』に掲載されたのです」(前出ジャーナリスト) 論文によれば絶滅危惧種を含む8科38種のトンボが確認されたといい、それぞれに考察が加えられている。悠仁さまは研究への貢献度により、筆頭著者となられたという。 論文発表に国際学会と、東大農学部の求める「要件」を十分に満たし、受験対策は盤石であるようにうかがえる。
初歩的なミスもあわせて計8カ所の訂正
ところが、そこに“不測の事態”が起きていた。 「この『赤坂御用地のトンボ相』論文に、先ごろ訂正が加えられたのです」 とは、先のジャーナリスト。科博のHPによれば、件(くだん)の論文に「正誤表 Errata」が付けられたのが8月22日。その内訳は、観察された『オスのオツネントンボ』とあるものが実際はメスだったり、観察地点である池の写真キャプションが誤っていたり、さらには『シオカラトンボ』の学名のスペルミスなど、初歩的なミスもあわせて計8カ所に及んでいたのだった。
査読によるチェックには限界が
生物の研究では、雌雄の別はきわめて重要なはずだが、国内のトンボ研究者約400人からなる「日本トンボ学会」のさる関係者によれば、 「論文発表後に正誤表が付けられること自体は、決してないことではありません。筆者は執筆の段階でミスを極力なくすよう、念には念を入れて論文を出すわけですが、固有名詞の取り違えやスペルミスは大なり小なり起こり得ます。その時、いつまでも間違ったまま残ってしまうことは学術的にも問題があるため、正誤表が必要となるのです」 科博「研究報告」は、掲載に至るまでに専門家による「査読」を経るのだが、 「これによるチェックも限界があります。例えば日付や観察場所のデータなど、当人でなければ知り得ないことが多い。正誤表は基本的に論文著者が誤りに気付いて作成し、掲載誌の編集者に提出します。また専門家や掲載誌の編集者など第三者から『誤りがあります』といった指摘を受けて作成するケースもある。ミスはないに越したことはありませんが、一般的に昆虫の学名などは分類体系の変更に伴って変わっていくこともあるので……」(同)